みなさんは「波」という曲をご存知だろうか。圧倒的に暗くて重いこの曲は、聴き手の精神状態にも支障をきたしてしまうかもしれない。聴くときはそれなりの気力を持って聴くように。
この記事の概要
- 「波」のみんなの評価は?
- 「波」とは一体どういう曲なのか?
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稲葉浩志ソロアルバム『マグマ』の4曲目「波」
そもそも「波」って?
稲葉浩志が初のソロ名義で1997年に発売した『マグマ』というアルバムに収録されている。
あまりにも暗くて重い作風が当時の一部のファンからは拒絶されるも、稲葉浩志をよく理解していたコアなファンは「これは名曲だ」と確信した。
たしかに比較的キャッチーなので名曲なのかもしれない。
ただ、あまりにも内容が・・・。
「波」は何位にランクイン?
ポイント
キャッチーだけど暗過ぎる。。。
「波」のみんなの評価は?
ひとこと
名曲だね。
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ここからは管理人の「波」独自解釈!
【波/歌詞解釈①】聴いてると海に漂う感覚になる1曲
この曲は前曲「そのSwitchを押せ」の力強さを裏切るかのように、1曲目「冷血」に似た不穏な雰囲気のメロディーが流れて始まる。
>>>応援ソングなのに◯◯◯◯な「そのswitchを押せ」~歌詞の意味とは?
収録アルバム『マグマ』の中でダントツに暗くて重い。
サビは比較的キャッチャーであり、聴いてると海に浮かんでるような不思議な感覚をおぼえるはず。
ポイント
海に浮かびたい人はぜひ
【波/歌詞解釈②】夕焼けから夜になるという切ない情景
この曲の主人公は愛する人との別れに胸を痛めている。
1番の歌詞を見ると夕焼けから夜になるまでのどことなく切ない情景が目にうかぶ。
しかし、なぜこのような情景を表現したのだろうか。
次の2つの引用した歌詞を見てほしい。
君は群青(ぐんじょう)に吸い込まれるように消えてゆくの
わかるよ これ以上はもういっしょにいてはいけないと
"いっしょにいてはいけない"という表現がとても意味深である。
これらの表現から考えると、主人公にとってのこの別れは納得のできない、いわば強制的なものなのだろう
恋人から一方的にフラれたのか、それとも死別なのか。
この曲では主人公と相手の関係性がわからないが、唯一の手がかりとして"手を握ろう"という歌詞がある。
おそらく稲葉さんは、この曲では手を握る=愛情表現としている。
どんな関係性であれ、主人公にとって別れてしまう相手はとても大切な人。
これらのことをふまえると稲葉さんがこの曲でなぜ夕焼けから夜になる情景を表現したかがわかる。
つまり、大切な人と過ごす時間を、太陽に照らされた希望にあふれた時間としている。
しかし、そんな時間も過ぎていく。
夜を大切な人との別れたあとの寂しい時間としているのだ。
ひとこと
太陽は希望を表し、夜は寂しさを表している
【波/歌詞解釈③】出会いがあれば別れがある
2番の歌詞では、別れを経験した主人公が臆病になっていく様子が描かれている。
次の2つの引用した歌詞を見てほしい。
すがりたい人も待つ人も全部なくしてしまいたい
安らぎも不安も消えることはない他人(だれか)を見つめてみんな生きているから
大切な人との別れを経験して、主人公は人との出会いをおそれている。
出会いがあれば別れがあるのは必然。
だから、主人公はひとりになりたいのである。
そうすれば別れを経験せずにすむ。
"安らぎも不安も消えることはない"という表現は本当に素晴らしいと思う。
ポジティブにもとらえられるし、ネガティブにもとらえられる歌詞だ。
ひとこと
出会いの数だけ別れは増える
【波/歌詞解釈④】静かな海へと深く潜っていく主人公
結局主人公は海に潜っていこうとする。
次の2つの引用した歌詞を見てほしい。
まばたきほどの時に沈む人を幸せにできる鍵があるという
無限の海を潜っていきたい
この"海"とは人生をあらわしているのだと私は考えている。
海へと潜っていこうとする主人公。
水中はとても静かである。
静かな世界。
2番の歌詞に戻ってみると主人公はひとりになりたいと思っている。
つまり、海に潜る行為=誰とも関わらずひとりになるということなのだ。
そして、その潜った先には"人を幸せにできる鍵"がある。
それは言いかえると、ひとりになったその先に得られるものである。
主人公の考えは「出会いは別れを発生させるものであり、他人とかかわることで悲しみを生んでしまう」というもの。
そのため、自分がひとりになればこの先出会うであろう人との別れを経験せずにすむ。
出会うことがなければ自分を愛してくれるであろう人が悲しまずにすむのである。
つまり、人を幸せにする(悲しませないようにする)には、自分と出会ってはいけないというのが主人公の考えなのである。
ひとこと
良い考えなのか悪い考えなのか分からない。。。
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まとめ
海に潜らず浮いていると波を体感する。
この曲での"波"とは人間関係をあらわしている。
良い波に出会うこともあれば悪い波に出会うこともある。
しかし、主人公はもうそんな波を体感したくはないのだ。
だからこそ主人公はひとりになるために静かな海中に、奥へ奥へと潜っていくのであった。
ひとこと
やっぱりめちゃくちゃ暗い曲。。。