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2000年1月13日発売。シングルとしては久しぶりの"純粋ラブソング"。この時期に発売された作品の多くは世間がイメージするMr.Children像とかけ離れたものばかりだったため、ポップなラブソングがメインだった初期へと原点回帰するつもりで製作されたのだと思う。
この記事の概要
- 「口笛」のみんなの評価は?
- 「口笛」とは一体どういう曲なのか?
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ミスチル/18thシングル「口笛」
そもそも「口笛」って?
Mr.Childrenが2000年1月13日に発売した18thシングル。
この時期はマニアックな作風のシングルを出し続け、いよいよブレイク期が去ってしまった。
なにせ前作「I'LL BE」は約30万、前々作「光の射す方へ」は約45万という、ミスチルとしてはかなり低い売上を記録していた。
>>>"ある人物"のために制作された名曲!!「I'll be/I'LL BE(シングルバージョン)」~歌詞の意味とは?【歌詞解釈】
>>>再び"マニアック路線"に走ってしまったシングル「光の射す方へ」~歌詞の意味とは?【歌詞解釈】
そのため、本作は初期を彷彿とさせるポップで暖かいラブソングとなった。
もっと売れて欲しかった。。。
ちなみに本作に関して桜井は「もっと売れると思っていた」と発言している。
これはやはり、本作はマニアック路線ではなく、世間がイメージするミスチル像に合った作風にしたからこその発言だ。
累計売上は72万枚。
ノンタイアップでありながら、72万枚はかなり良い方だと思う。
桜井はもっと売れて欲しかったらしいけれど、たしかに本作の作風はシングルとしては地味な気がする。
だから、個人的には72万枚は妥当というか逆に良くそんな売れたなと私は思う。
ようするに、5thシングル「innocent world」あたりの1回聴いただけで良さがわかるような曲ではなく、何回も聴けば聴くほど良さがわかる1曲だ。
>>元々は普通のラブソングになる予定だった!?「innocent world」~歌詞の意味とは?【歌詞解釈】
ファンからの人気が高い1曲でもある
この曲、ファンからの人気は非常に高い。
2014年の「Mr.Children FATHER&MOTHER 21周年祭 ファンクラブツアー」の直前に行われた「会員が最もライブで聴きたい曲」で、本作は堂々の1位を獲得。
これは、温かくて優しいミスチルらしい1曲だからこその結果なのだと思う。
ひとこと
THE・ミスチルって感じの1曲
「口笛」のみんなの評価は?
ひとこと
たしかに初期らしさと成熟さが見事に融合してる
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ここからは管理人の「口笛」独自解釈!
【口笛/歌詞解釈①】「口笛」のような関係性とは?
口笛のように、言葉はないけれど優しい気持ちになれるような関係でいたいという思いが込められたラブソング。
たしかに、口笛というのは"言葉"と同じく口から出るもの。
だけれど、口笛に言葉はなく音だけ。
言葉がなく、雰囲気だけでも優しい気持ちになるという素晴らしい関係。
そんな関係性を一言で例えると、まさに「口笛」なのだ。
それがわかる歌詞がラストに登場するので引用してみた。
どんな場面を二人で笑いながら 優しく響くあの口笛のように
この歌詞こそ、本作の根幹をなすものだろう。
ちなみに、歌詞には「愛してる」というような直接的な表現は一切なく、身体を使って愛を表現している。
これもまさに言葉という説明的なものではなく、口笛のように感覚的なもので伝わる愛をあらわしているのだ。
ひとこと
直接的な表現がないのが、何か綺麗。
【口笛/歌詞解釈②】美しい、青春の1ページ。
まずは1番の冒頭の歌詞を引用したので見てほしい。
頼り無く二つ並んだ不揃いの影が 北風に揺れながら延びてく
情景描写が詩的で美しい歌詞だ。
"頼り無く"という歌詞から、2人は比較的若いのだろうと推測できる。
あまり社会経験は無いけれど、2人だけの世界を持っているのだ。
そして、"不揃いの影"という歌詞が甘酸っぱくて素敵。
長身の男子と小さめの女子、そんな2人が目に浮かぶはず。
2人は寒い北風に吹かれながら、夕暮れを過ごしている。
まるで青春の1ページのような情景。
ひとこと
青春だ~。。。
【口笛/歌詞解釈③】あの頃に帰らせてくれる恋人。
1番のサビ(大サビ)もまた美しい歌詞なので一部を引用したい。
その香りその身体その全てで僕は生き返る
言葉がなくても優しい気持ちになる。
この歌詞は、まさにこの曲が提示している口笛のような関係性をあらわしている。
また、次の引用した歌詞を見てほしい。
夢を摘むんで帰る畦道 立ち止まったまま
"畦道"とは"田んぼと田んぼの間の細い道"のこと。
つまり、田舎を連想させる言葉なのだ。
"田舎というイメージ"がとても重要。
畦道なんて大人になると通ることもないけれど、子どもの頃は虫取りやらなんやらでよく通ったり遊んだりするもの。
ようするに、"夢を摘むんで帰る畦道"とは"子どもから大人になるための過程"をあらわしているのである。
子どもの頃に描いた叶いもしない夢を悔しくも摘んで、みんな大人になってゆく。
しかし、主人公は"立ち止まったまま"。
これは、恋人という存在が主人公を子どもの頃の無邪気で優しい気持ちをよみがえらせてくれることを意味している。
この解釈の根拠はCメロの歌詞。
子どもの頃に夢中で探してたものが ほら 今目の前で手を広げている
童心をよみがえらせてくれる、そんな恋人なのだ。
ひとこと
あの頃に戻ることができるなんて。。。
【口笛/歌詞解釈④】女の子のカバンには色々なものが入っている。
2番の歌詞も、口笛のような関係性を美しく描いている。
次の引用した歌詞を見てほしい。
無造作にさげた鞄にタネが詰まっていて 手品の様 ひねた僕を笑わせるよ
女の子のカバンにはまるで手品の様に、男性には想像のつかないものが入っていることがある。
「こんなの必要なくない?」と思ってしまうことも・・・(笑)。
主人公の恋人もカバンにいろいろなものが入っている。
そのどれもが主人公を笑わせてくれるようなものばかりなのだ。
言葉がなくても、どこか面白くて優しくなれる。
なぜこの恋人が、主人公の子どもの頃の気持ちをよみがえるせてくれるのかが分かる歌詞でもある。
ひとこと
いろんなモノが入ってる笑
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まとめ
この曲を聴くといつも北野映画の「あの夏、いちばん静かな海。」を連想する。
この映画は耳が聞こえない男女が繰り広げる、とても静かな一夏の恋物語。
本作「口笛」も、どこか静かだけど幸せに満ちている2人が目に浮かぶ。
ファンに人気があるというのも納得できる美しい1曲だ。
「口笛」の評価
5点満点中4.5点
美しい1曲