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1994年3月2日発売。B'zオリジナルアルバムとしては初めての、そして唯一の2枚組アルバム。発売年である1994年は、B'zにとって"暗黒時代"と呼ばれている。その"暗黒時代"を象徴するのがこの『The 7th Blues』。大ヒットした「愛のままにわがままに 僕は君だけを傷つけない」「裸足の女神」は未収録。重たくブルージーな作風で、前作までの"J-POPの聴きやすさ"か消えた。そのため、本作はある程度B'zの楽曲に慣れ親しんでいないと、置いてけぼりをくらってしまう。本作以降、B'zの目立った音楽性の変化はなくなるので、B'z史において一番と言っていいほど重要なアルバムである。
この記事の概要
- 『The 7th Blues』のみんなの評価は?
- 『The 7th Blues』とは一体どういうアルバムなのか?
- 『The 7th Blues』の全収録曲レビュー一覧
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B'z/7thアルバム『The 7th Blues』
B'z/7thアルバム『The 7th Blues』のみんなの評価は?
ひとこと
私も最初はとっつきにくかったけど、何回か聴いて好きになっていった。ただ、DISC 2に関しては今でもとっつきにくにい笑
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B'z/7thアルバム『The 7th Blues』の特色
前作『RUN』で初めてハードロックに徹したB'z。
>>>初めてハードロックに挑んだ名盤!6thアルバム『RUN』【アルバムレビュー】
まだ『RUN』にはハードロックに徹したとは言え、"J-POPの聴きやすさ"は残っていた。
しかし!
本作は"J-POPの聴きやすさ"は消え失せ、ハードロック&ブルージーな一般ウケしない作品となった。
1993年に発売した2つの大ヒットシングル「愛のままに~」「裸足の女神」はアルバムの雰囲気に合わないということで未収録となった。潔よすぎる。
>>>シングルで最大の売上を記録したけど人気がない!?「愛のままにわがままに 僕は君だけを傷つけない」~歌詞の意味とは?【歌詞解釈】
シングルは「Don't Leave Me」のみを収録。
>>>"暗黒時代"の幕開けを告げたシングル「Don't Leave Me」~歌詞の意味とは?【歌詞解釈】
この「Don't Leave Me」もそうだが、全体的に暗い曲が多く収録されている。
まさに"暗黒時代"を象徴する作品だ。
1994年は暗黒時代
B'zにとって、1994年はメンバー自身もファンも"暗黒時代"と呼んでいる。これは長期ライブによるテレビ出演の減少と、1994年に発売されたシングル2作とアルバム1作が、過去作品とは大きく異なる重たくてブルージーな作風になっていることに起因する。そのため、これまで基本右肩上がりで上昇していた売上げ(人気)が1994年で、一時的ではあるが、減少することになる。
当時はB'zをアイドルとして見ていた人が多かったらしい。
しかし、本作で完全にアイドルとして見る人は消えただろう。
ただ、ファン離れがあったことも事実。
売上が減少してしまった!
『The 7th Blues』の累計売上は160万枚。前作『RUN』から約50万枚の減少となってしまった。次作『LOOSE』では300万枚を記録する。つまり、前後作と比べると本作の売上げはかなり低い。主な理由は二つ。
- 作風が重たくブルージーな、一般ウケしないものだったから
- 2枚組アルバムということで、価格が5000円以上だったから(アルバム2枚分の価格)
1に関しては、作風が作風なので、アイドルとしてB'zのことが好きだった人が離れていったに違いない(^_^;)。ただ、本作は2枚組オリジナル・アルバムとしては邦楽史上初の100万枚を越えた記念すべき作品。いまだに2枚組オリジナル・アルバムでは歴代最高売上を誇っている。
実際、前作『RUN』までのオリジナルアルバムはジャケットに必ず稲葉松本が写っていた。
しかし、本作のジャケットには二人は写っていない。
これはルックスではなく「完全に音楽性だけで見てほしい」という意図があるのだと思う。
初めて製作だけに集中できた作品
DISC 1に10曲、DISC 2に10曲の全20曲が収録されている本作。
ただ、元々は2枚組になることは想定していなかったらしい。
今までのツアー合間にアルバムを製作する体制とは異なり、本作はアルバム製作だけに時間を割くことが出来たので多くの曲が作られ、結局2枚組になった。
アルバム製作だけに集中していただけあって、1994年はメディアへの露出が減少している。
特にテーマを考えることもなく、どんどん曲を作っていったらしいので、タイトルの『The 7th Blues』には"7枚目のアルバム"という意味で、特に意味は無い。
ブルースでよく使われる「7thコード」をもじったもの。松本曰く「酔った時の思いつき」らしい笑。
本作を聴いた人なら分かると思うけれど、本当に"やりたいことをやっている"。
DISC 1はまだキャッチーな曲が多少あるけれど、DISC 2に関しては置いてけぼりをくらってしまう笑。
でも、今までのアルバム以上にB'zの二人及びサポメンが「音楽を楽しんでいる」のがビンビン伝わるので、ファンとしては何か嬉しい。
B'zにとって大きなターニングポイントとなった重要作品
松本は本作に関して以下のコメントを残している。
大きなターニングポイントとなった
また、稲葉は以下のコメントを残している。
これからの基本姿勢ができた
これら二人のコメントで分かるように、本作はB'zにとってかなり重要な作品だった。
今になってその後のディスコグラフィーを見ると、やはり本作の前と後では全然作風が違う。
というか、本作以降はもう目立った音楽性の変化はない。
4th『RISKY』で初期のデジタルビートを脱却。
>>>ブレイク期の幕開けを告げた名盤!4thアルバム『RISKY』【アルバムレビュー】
5th『IN THE LIFE』で"B'zらしさ"を確立。
>>>B'zとしては初の200万枚を越えたポップアルバム!5thアルバム『IN THE LIFE』【アルバムレビュー】
6th『RUN』でハードロックを取り入れ、『The 7th Blues』への布石を作る。
>>>初めてハードロックに挑んだ名盤!6thアルバム『RUN』【アルバムレビュー】
そして、本作『The 7th Blues』で完全にB'zの音楽性が決まったのだ。
ひとこと
B'zを語る上では絶対に欠かせないアルバム
B'z/7thアルバム『The 7th Blues』の全収録曲レビュー一覧
クリックすると各曲のレビュー記事へととびます。
DISC 1
2.おでかけしましょ
3.未成年
4.闇の雨
7.ヒミツなふたり
8.Strings of My Soul(インストゥルメンタル)
9.赤い河
10.WILD ROAD
DISC 2
1.Don't Leave Me(14thシングル)
「ハートも濡れるナンバー 〜stay tonight〜」の全英詞リメイク。
6.春
8thシングル「LADY NAVIGATION」の全英詞リメイク。
9.もうかりまっか
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まとめ
2枚組全20曲ということで、かなり濃いアルバムになっている。
重たくてブルージーな作風なので、B'zを聴き始めた人にはあまりオススメできない(^_^;)。
ある程度B'zの音楽に慣れ親しんだ後に、本作を聴くことをすすめる。
そして、本作が"B'z史における重要作品"であることを頭に入れると、より本作を楽しめると思う。
ひとこと
DISC 2のハードさについていける人はどのくらいいるのだろう・・・。正直、私はあまりついていけない笑。