出典:https://www.amazon.co.jp
1995年11月22日発売。前年の"暗黒時代"の雰囲気を吹き飛ばす、世間が求めるB'zを最大限に体現したポップアルバム。本作より、シングルが複数収録されることになった。同年に発売された三作のミリオンシングルを全て収録。また、B'zの出世作となった1stミニアルバム収録曲「BAD COMMUNICATION」のアレンジバージョンも収録。売れないわけがない豪華な内容である。初動売上(133万枚)および累計売上(300万枚)は、B'zのオリジナルアルバム史上最高売上となった。
この記事の概要
- 『LOOSE』のみんなの評価は?
- 『LOOSE』とは一体どういうアルバムなのか?
- 『LOOSE』の全収録曲レビュー一覧
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B'z/8thアルバム『LOOSE』
B'z/8thアルバム『LOOSE』のみんなの評価は?
ひとこと
B'z史上最高売上を記録したオリジナルアルバムなだけあって、全体的にキャッチーな曲が多い!
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B'z/8thアルバム『LOOSE』の特色
前年に7thアルバム『The 7th Blues』という大作を発売したB'z。
>>>"暗黒時代"を象徴する重要作品!7thアルバム『The 7th Blues』【アルバムレビュー】
その『The 7th Blues』はまさに"暗黒時代"と呼ばれた1994年のB'zを象徴する、暗くて重たい、いわゆる一般ウケしにくい作風だった。
1994年は暗黒時代
B'zにとって、1994年はメンバー自身もファンも"暗黒時代"と呼んでいる。これは長期ライブによるテレビ出演の減少と、1994年に発売されたシングル2作とアルバム1作が、過去作品とは大きく異なる重たくてブルージーな作風になっていることに起因する。そのため、これまで基本右肩上がりで上昇していた売上げ(人気)が1994年で、一時的ではあるが、減少することになる。
暗黒時代に発売されたシングル
暗黒時代に発売されたアルバム
そして、"暗黒時代"を越えた1995年。
B'zは原点回帰と称して、ポップ路線へと大きく舵をきった。
1995年に発売したシングル三作「ねがい」「love me, I love you」「LOVE PHANTOM」は"暗黒時代"と大きく異なる、ポップで耳なじみの良い、一般ウケのする作風となった。
これにより、"暗黒時代"で下がっていた売上(人気)が復活する。
つまり、1995年、世間が求めていたB'z像が完全復活したということだ。
16thシングル「ねがい」より、音楽製作集団"B+U+M"を解散し、B'zは2人という原点に戻った。"B+U+M"については3rdアルバム収録曲「B.U.M」のレビュー記事に詳しく書いている。
1995年7月7日から行われた『B'z LIVE-GYM Pleasure '95 "BUZZ!!"』は、B'z初のスタジアムツアーだった。
そのツアーにて、稲葉は以下のコメントを残している。
僕の中では(去年の)The 9th Bluesとは対極のツアーだった。
"The 9th Blues"とは、7thアルバム『The 7th Blues』を引っさげて行われたライブ(1994年2月9日~12月24日)。
およそ一年かけて行われた、まさに"暗黒時代"のハードで重たくて、内に向けてはき出していたライブだった。
そんなライブと対極だったということは、言いかえれば、"1994年と1995年は対極"だということ。
また、松本は以下のコメントを残している。
去年(1994年)は自分達が好き勝手やってたから、その反動もあったと思う。
メンバー自身、「1994年(暗黒時代)はファンを置いてけぼりにし過ぎてしまった」という自負があったのだと、このコメントで分かる。
つまり、1995年は一般ウケする作品を作らざるを得ない状況だった。
『LOOSE』は初めてシングルを複数収録した豪華アルバム!
そんなこんなで、1995年の集大成とも言える8thアルバム『LOOSE』は、暗黒時代の鬱々さを吹き飛ばすポップ&ロックのキャッチーアルバムとなった。
また、今までは基本的にアルバムにつきシングル一作のみ収録だったのが、本作ではなんとシングルを三作も収録した。
4thアルバム『RISKY』は例外的に、シングルが二作収録されている。ただ、これはまだB'zが影響力の少ない時期の頃で、シングルにする予定ではなかった「愛しい人よGood Night...」をタイアップ元の関係者が気に入ったからという理由でシングルになったためである。よって、B'z自らがシングルを複数収録するようになったのは『LOOSE』から。
"暗黒時代"の雰囲気を引きずっている15thシングル「MOTEL」はさすがに未収録。
>>>"暗黒時代"の幕を締めくくるシングル「MOTEL」~歌詞の意味とは?【歌詞解釈】
しかし、「ねがい」「love me, I love you」「LOVE PHANTOM」を収録しているだけで十分すぎるほど豪華。
三作どれもミリオンヒットしており、特に「LOVE PHANTOM」に関しては、B'zのその後の活動にも大きく影響を与えた大作。
>>>B'z史に燦然と輝く大作「LOVE PHANTOM」~歌詞の意味とは?【歌詞解釈】
こんなミリオンシングルが三作も収録してるのなら、もう売れないわけがない(^_^;)。
アルバムタイトル『LOOSE』の意味は?
アルバムタイトル『LOOSE』(ルース)は、テーマや発売日など制約が決まっておらず、自由にやったことから付けられたらしい。また、数曲はハワイで録音されている。ハワイで録音だなんて、なんて自由で優雅なのだろうか笑。
ひとこと
振り子の原理とおなじで、1994年は一般ウケしない方向に大きく傾いたから、1995年は一般ウケする方向に大きく振り切れた!
B'z/8thアルバム『LOOSE』の全収録曲レビュー一覧
クリックすると各曲のレビュー記事へととびます。
1.spirit loose(インストゥルメンタル)
2.ザ・ルーズ
3.ねがい ("BUZZ!!" STYLE)(16thシングル)
4.夢見が丘
1stミニアルバム収録曲「BAD COMMUNICATION」のアレンジバージョン。
6.消えない虹
7.love me, I love you (with G Bass)(17thシングル)
8.LOVE PHANTOM(18thシングル)
9.敵がいなけりゃ
10.砂の花びら
11.キレイな愛じゃなくても
12.BIG
14.spirit loose II(インストゥルメンタル)*
*はシークレットトラック
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まとめ
"暗黒時代"が終わって初のアルバムなので、メンバー自身「一般ウケする作品を作らなければ」という強迫観念が少なからずあったのだと私は思う。
ハワイで数曲録音したり、タイトルを"ゆるい"や"だらしない"を意味する『LOOSE』としたのも、緊張感や不安を隠しているのでは?と勘ぐってしまう(^_^;)。
実際、B'zのオリジナルアルバム史上最高売上を記録するので、見事に本作は世間が求めるB'z像を最大限に体現できたアルバムに仕上がった。
そのため、B'z入門編としてはこれほど適したものはない。
ファンの人も、B'zをあまり知らない人も、"大"満足できるアルバムだ。
ひとこと
大作「LOVE PHANTOM」が収録されてる時点で、もう最強だ!笑