ハードロックな社会風刺ソング。5分49秒と比較的長い曲だが、歌詞がすごい独特でおもしろいので聴いてて飽きない。
この記事の概要
- 「タイムマシーンに乗って」のみんなの評価は?
- 「タイムマシーンに乗って」とは一体どういう曲なのか?
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ミスチル/6thアルバム『BOLERO』の3曲目「タイムマシーンに乗って」
そもそも「タイムマシーンに乗って」って?
Mr.Childrenが1997年3月5日に発売した6thアルバム『BOLERO』に収録されている。
ハードロックな社会風刺ソングだが、歌詞が秀逸なのでファンからの人気が意外と高い。
宮沢賢治やルイ・アームストロングといった実在の人物が歌詞中に登場したり、終盤ではなんと「この曲は俺のただのぼやきだから聞き流してくれ!」といった旨の自虐的な歌詞まで登場(笑)。
過激ながらもどこか納得してしまう歌詞がたくさんでてくるので、ぜひ歌詞を味わいながらこのハードロック社会風刺ソングを聴いてみてほしい。
断片的な構造!?
ちなみに、この曲は非常に断片的な構造をしている。
つまり、一貫としたテーマがこの曲にはなく、主人公が感じる世の不条理やら社会風刺やらを無造作にメロディーに当てはめている。
タイトルの「タイムマシーンに乗って」も、実際は1番のAメロの歌詞にしか関連していない。
ひとこと
ミスチルの社会風刺ソングの中では一番好きかも
「タイムマシーンに乗って」のみんなの評価は?
ひとこと
かっこよさがある
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ここからは管理人の「タイムマシーンに乗って」独自解釈!
【タイムマシーンに乗って/歌詞解釈①】時の流れを感じるのは嫌だ
さて、1番はAメロが2つある。
1つ目のAメロは時の流れの残酷さを描いている。
次の引用した歌詞を見てほしい。
ド派手なメイクをしてたロックスターでさえ月日が経ってみりゃジェントルマン
かっこよくてイカしてたロックスター。
そんなとがったロックスターに主人公は憧れていたのだろう。
しかし、そのロックスターは時の流れとともにやわらかくなってしまい、今では普通のおじさんになった。
時の流れによって、主人公の憧れは徐々に消えてなくなってしまったのである。
そんな、罪深い時の流れ。
いっそのことタイムマシーンに乗って時の流れを感じずに未来にワープしたいと主人公は願うのであった。
ひとこと
時の流れは残酷
【タイムマシーンに乗って/歌詞解釈②】「雨ニモマケズ」を引用して描かれる、主人公の嘆き
2つ目のAメロは"前略 宮沢賢治様"と称して、自分自身の理想と現実のあまりにかけ離れたギャップを宮沢賢治の作品「雨ニモマケズ」のフレーズになぞらえて歌っている。
次の引用した歌詞を見てほしい。
「雨ニモマケズ」優しく強く無欲な男 「ソウイウモノ」を目指してたのに
憧れていた男に、主人公はなることができない。
なろうとしてもなれないという鬱憤(うっぷん)を宮沢賢治にぶつけているのだ。
つまり、これは「宮沢賢治様は「雨ニモマケズ」という素晴らしい作品を遺したけれど、誰もがその詞のような人間になれないです!」という皮肉でもあるのだ。
ひとこと
皮肉めいてる
【タイムマシーンに乗って/歌詞解釈③】個性を出して、多数勢に流されずに生きることが最高
1番のBメロでは、平凡な人生が1番良いことだととらえる世の中に対しての批判を歌っている。
次の引用した歌詞を見てほしい。
平均的をこよなく愛し わずかにあるマネーで誰かの猿真似
"平均的"を愛する人々はたくさんいるはず。
自分の個性を出すことなく、最新のトレンドに身を包む。
そんな誰かの真似をして、自分を群衆の一人と位置づける大衆に向けて主人公は皮肉っているのだ。
つまり、主人公は、多数勢に流されることなく自分自身の個性を出せる人間の方が素晴らしいという考えを持っている。
この考えは2番のAメロの歌詞にも反映されている。
人生はアドベンチャー たとえ踏み外しても結局楽しんだ人が笑者です
結局は自分がやりたいこと、つまり個性を出して他人に流されることなく生きれれば"笑者"なのである。
勝者ではなく"笑者"とあらわしていることで、主人公の「人生は勝ち組負け組で分けられるほど単純なものじゃねぇよ!」という道徳心を垣間見ることができる。
ひとこと
"笑者"と表現してるのが良い
【タイムマシーンに乗って/歌詞解釈④】「What a Wonderful World」を引用して描かれる主人公の願い
2番のAメロでは"前略 ルイ・アームストロング様"と称して、このしがない世の中をルイ・アームストロングの作品「What a Wonderful World」のフレーズになぞらえて歌っている。
次の引用した歌詞を見てほしい。
次の世代にもしゃがれた声で歌ってやってくれ 心を込めて「ワンダフルワールド」
実際、この曲はいわゆる社会風刺ソングなので主人公自身この世の中を「ワンダフルワールド」(素晴らしき世界)だなんて思っていないだろう。
それでも、これから生まれてくる"次の世代"が夢をもって生きていくためには良い嘘が必要である。
だからこそ、主人公はルイ・アームストロングに「What a Wonderful World」を歌ってほしいと願っているのだ。
ひとこと
必要な嘘もある
【タイムマシーンに乗って/歌詞解釈⑤】芸能人の仕事はつらい
2番のBメロでは、お金目当てで何でもする女性への皮肉を歌っている。
次の引用した歌詞を見てほしい。
恋の名の元に少女は身を売りプライドを捨てブランドを纏った マスコミがあおりゃ若さに媚びうる
この歌詞は女性と言っても、特に芸能界にいる女性芸能人への皮肉ととらえても良いだろう。
たとえどんなに嫌でも好きと言わざるをえない仕事が芸能人である(はず)。
CMやドラマ、映画などメディアに関わるものと仕事をする芸能人は"時代の着せ替え人形"(引用した歌詞の直後に登場するフレーズ)なのである。
大嫌いな俳優とキスシーンをするのも仕事の1つ、大嫌いな食べ物を笑顔で大好きですと言うのも仕事の1つ。
いわば、嫌な仕事を"恋の名の元"(純粋に自分がやりたいこと)として人々を騙す仕事が芸能人なのだ。
ひとこと
夢がない。。。
【タイムマシーンに乗って/歌詞解釈⑥】チャラチャラした若者に向けて、喝!
Cメロではこの国に住む、自分の考えを持たなく、学のない人々への批判である。
さらにいうと、主人公の多数勢に流されないのが良いという考えをより赤裸々に描いている。
次の引用した歌詞を見てほしい。
侵略の罪を 敗戦の傷をアッハッハ嘲笑うように 足並み揃えて価値観は崩壊してる
自分が住んでいる国の歴史を知らずに、"足並み揃えた価値観"、つまり、トレンドに流されてチャラチャラとしている若者を皮肉っているのだ。
さらに、こんな若者達を直後の歌詞で"タイトロープダンシング"と主人公は表現している。
タイトロープ(tightrope)は"綱渡りに使う綱"を意味しており、"危険を冒すこと"のたとえとして用いられている。
つまり、学のないチャラチャラした若者を、いつかどん底に墜ちてしまうかもしれないダンサー(曲芸師)だと主人公は歌っているのである。
ダンサーの方には申し訳ないが、たしかにダンサーはどこかチャラチャラしてる人が多い気がする。
ひとこと
どん底に墜ちないように。。。
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まとめ
この曲は社会風刺ソングにもかかわらず聴いてて楽しい。
また、当時の桜井の悩みや苦しみを垣間見ることができる1曲なので、ぜひ味わって聴いてみてほしい。
ひとこと
楽しい社会風刺ソング
「タイムマシーンに乗って」の評価
5点満点中4.5点
タイムマシーンがあればなぁ