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2018年10月3日発売。前作『REFLECTION』からおよそ3年4か月ぶりのオリジナルアルバム。今までは『[(an imitation) blood orange]』から『REFLECTION』の2年7か月が最長スパンだったが、本作の3年4ヶ月ぶりが過去最長スパンとなった。前作が収録曲の多い、いわゆる作品集的なアルバムだったのに対して、本作は10曲で演奏時間が48分1秒とコンパクトなアルバムになっている。初の完全セルフプロデュースアルバムになっており、桜井曰く「自分たちの自我が強く出ている」。そのため本作は賛否両論が激しい。
この記事の概要
- 『重力と呼吸』のみんなの評価は?
- 『重力と呼吸』とは一体どういうアルバムなのか?
- 『重力と呼吸』の全収録曲レビュー一覧
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ミスチル/19thアルバム『重力と呼吸』
ミスチル/19thアルバム『重力と呼吸』のみんなの評価は?
ひとこと
本作は賛否がくっきり分かれている
ミスチル/19thアルバム『重力と呼吸』の特色
前作『REFLECTION』から約3年4ヶ月ぶりのオリジナルアルバム。
>>>新しいミスチルの最大級の本気!!18thアルバム『REFLECTION』【アルバムレビュー】
『REFLECTION』制作途中から、デビュー時からのプロデューサー小林武史が抜けた。
そのため、本作が実質的に「初の完全セルフプロデュースアルバム」。
『REFLECTION』は収録曲が多く、さらには名曲が多かったので、次作(つまり本作)に期待した人は多かったと思う。
メモ
近年の楽曲には"小林武史が前面に出た曲"が多かった。つまり、バンド感がない、キーボードやピアノが主になった曲が多かった。そのため、一部のファンは小林武史不要論を唱えてもいた。私も正直、バンド感のあるミスチルが戻ってきて欲しかった。そんな中で、小林武史とミスチルが決別したという情報が耳に入った。そして2015年に発売した『REFLECTION』ではバンド感が戻っており、「小林武史が抜けると、やっぱりミスチルは良い!」となったのだ。
『REFLECTION』から本作発売までの3年4ヶ月、2017年が25周年記念イヤーだったこともあり、ミスチルはライブにかなり力を入れていた。
2018年9月発売の音楽雑誌『ROCKIN’ON JAPAN 11月号』のインタビューで、ギターの田原は以下のコメントを残している。
『REFLECTION』が出て、そのあと、ミスチル史上ないぐらいの数のコンサートをずーっとやってきて。そこで4人、忘れそうになってた結束みたいなものをまた感じあっていたんだと思うんですよね。
『REFLECTION』から『重力と呼吸』までの3年4ヶ月というのは、アルバム間隔ではミスチル史上最も長い。
この長さは、田原のコメントから察するに、たくさんのライブをこなしていたからだろう。
ただ、やっぱり「小林武史がいない今のミスチルにどういうアルバムが作れるのだろう。」という葛藤が少なからずあったことも、間隔が長くなった理由でもあると思う。
そして、"初の完全セルフプロデュースアルバム"という名札がついてしまう以上は、「絶対に良いアルバムにしないといけない」という強迫観念があったと思う。
Yahoo!ニュースのインタビューで、桜井は以下のコメントを残している。
このアルバム(『重力と呼吸』)に関しては自分たちの自我が強く出ていると思います
「ファンに認めてもらえるアルバムを作る」という想いと、それでも「自分自身がやりたい音楽を」という想い。
それらの想いが錯綜しながら制作したアルバムだったのだと、このコメントを見て思った。
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『重力と呼吸』という名の意味は?
本作発売直前に、公式ホームページでは以下のページが出現した。
出典:http://www.mrchildren.jp
意味深な番号〈10691059〉とは何なのか...?
情報解禁前は、本当にこの番号の意味が全く分からなかった。
もう今なら分かると思うが、一応言っておくと、この番号はアルバムタイトル『重力と呼吸』を数字で表している。
10(重)69(力)10(と)59(呼吸)
『重力と呼吸』というタイトル、初めて聞いたときは「ヘンテコな名前だなぁ」と思った(笑)。
てか、ミスチル史上最も変なアルバムタイトルだと思う。
『重力と呼吸』の意味はメンバーの口から未だに語られていないので、聴き手それぞれが解釈するしかない。
個人的には、10曲目の「皮膚呼吸」の歌詞を見るとある程度理解できると思っている。
>>>桜井の葛藤が描かれた名曲「皮膚呼吸」~歌詞の意味とは?【歌詞解釈】
私の解釈は以下の通り。
- 重力=「ファンが自分たちに向けた期待」
- 呼吸=「生きるために必要な行為=桜井にとっては音楽を聴くこと=取り込んだ音楽が血となり骨となり今の自分を作る=今の自分を信じること」
前述のとおり、本作は初の完全セルフプロデュースアルバムということもあり、今まで以上にファンの期待を裏切ることはできない。
でも、50歳を目前にした桜井だからこそ、作りたい音楽がある。
ファンに迎合するべきか、自分のやりたいことをやるか…。
つまり、『重力と呼吸』は桜井の葛藤を表したタイトル、だと私は思う。
『重力と呼吸』が賛否両論くっきり分かれるのは仕方がない...?
結局、桜井は『重力と呼吸』を"ファンの期待に応えるためのアルバム"にしたのか、それとも"自分たちのやりたいようにしたアルバム"にしたのか。
これは、前述のとおり、桜井がインタビューで「自分たちの自我が強く出ている」と語っているので、"自分たちのやりたいようにしたアルバム"なのだろう。
とはいえ、ファンを見捨てたわけでは全くない。
何と言っても、1曲目の「Your Song」ではファンへの感謝と思える内容になっている。
>>>『重力と呼吸』の1曲目に相応しい良曲「Your Song」~歌詞の意味とは?【歌詞解釈】
ただ、本作はこれまでのアルバム以上に賛否両論になっていることは確か。
「名盤!」と思う人と「駄作...」と思う人が両方いて、個人的には否定派が若干多く感じる。
この結果から、『重力と呼吸』は桜井が語ったとおり"自分たちの自我が強く出ている"="自分たちのやりたいようにしたアルバム"だったことが分かる。
つまり、どうしても賛否両論になるのは仕方が無い。
なぜなら、今の桜井たちのやりたい音楽と「自分が求めているミスチルの音楽」が合う人には当然「名盤!」となるだろうし、合わないと「駄作...」となってしまうから。
ひとこと
『深海』ほどの問題作ではないにしろ、踏み絵的な作品にはなっていると思う
ミスチル/19thアルバム『重力と呼吸』の全収録曲レビュー一覧
クリックすると各曲のレビュー記事へととびます。
3.SINGLES
4.here comes my love(配信限定シングル第七弾)
5.箱庭
8.秋がくれた切符
9.himawari(37thシングル)
10.皮膚呼吸
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まとめ
初の完全セルフプロデュースアルバムだった本作。
この作品こそ、"小林武史のいないMr.Children"の1stアルバム。
「小林武史がいたほうが良かった」と思う人もいれば、「小林武史がいないほうが良い!」と思う人もいるはず。
「ミスチルに求める音楽」はきっと人それぞれ。
ぜひ、本作を聴いて今のミスチルを体感してみてほしい。
必ず"何か"は心に残るアルバムになっているはず。
ひとこと
賛否両論が激しいのは、それはそれで作品自体に「語りたくなる魅力」があるから