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音楽レビュー Mr.Children 18thアルバム『REFLECTION』

【ミスチル】新しいミスチルの最大級の本気!!18thアルバム『REFLECTION』【アルバムレビュー】

2018年8月31日

「ミスチル REFLECTION」の画像検索結果

出典:https://www.biccamera.com

2015年6月4日発売。前作『[(an imitation) blood orange]』からおよそ2年7か月ぶりのオリジナルアルバムであり、これは過去最長のスパンである。

>>>なぜ評判が悪いのか!?17thアルバム『[(an imitation) blood orange]』【アルバムレビュー】

それもそのはずで普通はアルバム発売⇒ライブの流れだったのが、本作ではライブ⇒アルバム発売という異例の形式だったのだ。また初の『{Naked}』『{Drip}』の2形態での発売となった。累計売上は57万枚と、前作から20万枚以上の減少。もはやアルバムを出すたびに売上が減少してしまうのはこのご時世避けられないのかもしれない・・・。

この記事の概要

  • 『REFLECTION』のみんなの評価は?
  • 『REFLECTION』とは一体どういうアルバムなのか?
  • 『REFLECTION』の全収録曲レビュー一覧

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ミスチル/18thアルバム『REFLECTION』

ミスチル/18thアルバム『REFLECTION』のみんなの評価は?

山田さん
これぞミスチルワールド!boleroのあたりのミシチルがもっと完成度が増してきた感じです。ライブもいいと思うけど、作品を自分の心味わえるのは、CDではないかなぁ〜と思います。周りに邪魔されなく作品を楽しめると感じますね。
文句の付けどころなく、名曲ラッシュ。未完は特に歌詞が秀逸で何回聞いたかわかりません。これからも一生ミスチルファンであり続けたいです。
北野さん
木村さん
内容は★5です、問題はその発売のしかた。 最初から二枚組で発売してほしかったな~と思う。どこをどうdripするかは買った人がそれぞれ決めると思います。
評判どおり、耳触りのいい曲がたくさんあります。 ただ、盛り上がりというか曲の胸の高鳴り感がミスチルの曲は似通ってしまうように感じます。 よく言えばずっと安定している。悪く言えば金太郎飴的。1stアルバムが大好きな者の一意見です。
佐藤さん
滝さん
未完WALTZなどは最近にしては比較的よいと思いますが、往年のファンとしては、2000年以前のような心に残る感じ、リピートしてずっと聞き続けたいような印象は受けませんでした。今回ライブにも参加しましたが、やはり以前の曲の方が感動したし、会場のボルテージも高かったように思います。正直追加購入する気は起きません。

ひとこと

名曲多数!


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ミスチル/18thアルバム『REFLECTION』は初めてづくしの作品だった

『REFLECTION』を発売するにあたって、ミスチルが初めて行ったことは主に3つ。

  1. ライブ⇒アルバム発売という異例のルーティン
  2. 『{Naked}』『{Drip}』の2形態での発売
  3. プロデューサー小林武史との決別

これら3つはミスチルの歴史を語る上でも重要な出来事なので1からしっかりと解説していきたいと思う。

①ライブ⇒アルバム発売という異例のルーティン

歓声をあげる観客のシルエットのイラスト

プロのミュージシャンというのは一般的にはアルバムを発売した後にライブツアーを行う。

これはミスチルも例に漏れなく、今までアルバム発売⇒ライブというルーティンだった。

しかし『REFLECTION』を発売するにあたってそのルーティンを逆転させたライブ⇒アルバム発売にしたのだ。

アルバム発売3ヶ月前の2015年3月に『Mr.Children TOUR 2015 REFLECTION』を敢行。

一応2014年9月に『Mr.Children FATHER&MOTHER 21周年祭ファンクラブツアー』を敢行しており、そのライブでも未発表曲を披露している。

このライブでは発売前の『REFLECTION』収録曲が多数披露。

聞き覚えのある曲と、聴きなじみのない新鮮な曲が入り混じった新感覚のライブになった。

ちなみに

『REFLECTION』発売後も『Mr.Children Stadium Tour 2015 未完』を敢行している。

なぜライブ⇒アルバム発売という異例のルーティンにしたのか。

桜井は以下のコメントを寄せている。

まったく聴いたことがない音楽なんだけど、凄く心が動く、感動するライブができないか? リリースがあって、ツアーがあってという、いつも通りのやり方ではない新しい伝え方があるんじゃないか? そんな疑問を解消できるアイデアとして行ったのが、未発表曲メインでのファンクラブ限定ツアーでした。ライブで初めて楽曲を聴いてくれた方と同じような新鮮な気持ちで、僕らの新しい音に触れてもらえたら嬉しいです

つまり桜井およびメンバー達はいつも通りのルーティンに飽きていたのだ。

いまやCD不況と言われ、90年代のたくさんCDが売れていた勢いは失われている。

そのため、ミュージシャンはCDよりもライブによる収益が増えているという。

ミュージック・ステージ市場規模.jpg

出典:http://corporate.pia.jp/news/detail_live_enta2016.html

ミスチルがライブ⇒アルバム発売の流れにしたのは、どこか音楽業界が変換点に差し掛かっていることを象徴している気がする。

CDの時代は終わり、ライブがよりいっそう一般化していくのかなと私は感じている。

②『{Naked}』『{Drip}』の2形態での発売

18thアルバム『REFLECTION』は{Naked}と{Drip}という2形態の発売になった。

以前にも初回限定版として特典DVDが付いていたりと、僅かな違いがある2形態発売はしていた。

しかし収録曲や値段、そして媒体そのものが大幅に変更しているのは本作が初。

{Naked}

『REFLECTION {Naked}』は完全限定生産として発売された(そのため現在は絶版)。内容は以下の通り。

  • 『{Drip}』初回盤(CD+ドキュメンタリーDVD)
  • 80P写真集(撮り下し)
  • 全23曲収録のUSBアルバム『REFLECTION {Naked}』(ハイレゾ音源)
  • オリジナル・ライナーノーツ48P
  • DEMO音源試聴QRコードをBOX仕様

豪華すぎる内容である。そのため値段は9,720円というアルバムにしてはかなり高め。絶版になっているため今ではプレミア化している。

{Naked}は高価&完全生産限定のため、入手できない人が続出した。

私は予約していたので入手することができたが予約終了している店が多く苦労した。

"Naked"の意味は"裸"を意味しており、まさに「今現在のあるがままのミスチル」を体現した内容になっている。

{Drip}

『REFLECTION {Naked}』から厳選した14曲を収録したアルバム。また、『REFLECTION {Naked}』を買えない人への配慮として未収録曲を1曲250円で購入(ダウンロード)できるサイトにアクセスするためのスペシャルIDが封入されている。

{Drip}の意味は"したたる"を意味する英語。

つまり『REFLECTION {Naked}』からしたたった14曲

このような2形態になった理由は桜井およびメンバー達の「すべてのMr.Childrenを聴いて欲しい」という想いに起因する。

③プロデューサー小林武史との決別

『REFLECTION』から、ミスチル育ての親であるプロデューサー小林武史と決別した。

これは長年のファンからしてみれば大事件だった。

もはや"ミスチル5人目のメンバー"と揶揄されてもおかしくないほどミスチルに欠かさない存在だった小林武史。

そんな存在と手を切るだなんて・・・。

小林武史の“農業ビジネスへの傾倒”に桜井がついていけなくなったなど、当時は様々な憶測が流れた。

真相はもはや小林武史およびミスチルメンバーにしか分からない。

メモ

2000年代後半からはピアノが前面に押し出されてバンド感がないという批評も多数出ていた。そのため小林武史と決別したことに喜んだ人は少なくなかった・・・!?

『REFLECTION』ではミスチル初のセルフプロデュース作品が多数収録されてある。

一応小林武史プロデュース作品も全23曲中6曲存在している。

 

 

こんな感じで18thアルバム『REFLECTION』はミスチルにとって初めてづくしの作品だったのだ。

ひとこと

新たなミスチルアルバム・・・!

ミスチル/18thアルバム『REFLECTION』の特色

前述のとおり、セルフプロデュース作品がほとんどなのでバンド感が強くなっている。

前作『[(an imitation) blood orange]』はバンド感は皆無に等しかったので「セルフプロデュースになって良かったな」と思った。

>>なぜ評判が悪いのか!?17thアルバム『[(an imitation) blood orange]』【アルバムレビュー】

ただ、『REFLECTION {Naked}』なんかは収録時間が110分もある。

そのため"アルバム"というよりも"作品集"という方が正しい。

世界観は一切なく「いかに今現在のミスチルの音楽を詰め込めるか」という感じなので、まとまりは全くない。

それこそタイトルの『REFLECTION』(反射)のように1曲1曲がきらきらと光を反射しているよう。

『REFLECTION』の由来は?

出典:http://reflectionmr.coslife.net

『REFLECTION』はギターの田原健一が命名した。田原曰く、ファンクラブ限定ツアーの写真の中に意図せずステージと客席の間に緑色の光が映り込んでおり、それがミュージシャンである自分たちが音楽として発している“想い”と、受け手であるファンの人たちの“想い”が重なり合って起きた現象だと思ったという。

私はアルバムにまとまりがないとあまり好きにはなれない。

ただ『REFLECTION』は1曲1曲があまりにもクオリティーが高いので嫌いになれない(むしろ好き)。

こんなにもクオリティーの高い曲が収録されているのはアルバム18作目にして初だ。

これならばまとまりがなくても十分満足。

「これシングル曲じゃないの!?」と思うくらいの超キャッチー曲が多く、逆に胃がもたれるレベル(笑)。

金儲けの匂い・・・

金儲けの匂い

ただ一つだけ難点をあげるとしたらリリースの仕方だ。

正直言って、ライブを先に行ってアルバムを発売するってファンからして見れば苦痛。

ライブに行けた人はいいけれど、行けなかった人にとっては「はやくアルバム出せよ!」と思ってしまう。

メンバーにとっては新鮮だったのだろうけど、こういうやり方をされるとファンの間で格差が生まれる

あくまでライブは既存の音楽を楽しむものでないと、ライブに行けた人だけが新曲を聴けるという汚い金儲けの匂いがするのだ。

「新曲を多数披露するからライブ来てね」というのは、もうこの『REFLECTION』で終わりにしてもらいたい。

全員が全員ライブを行けるわけではないのだから・・・。

そして、2形態で発売というのもやめてほしい。

完全生産限定盤と称しておよそ一万円の値段を請求するのは、正直言って汚い。

USBに収録するくらいなら2枚組にすればよかったのでは。

こうなるとまたしても、先ほどのライブ問題と同じようにファンの間で格差が生まれるのだ。

事実、完全生産限定盤である『REFLECTION {Naked}』を買えない人は続出していた。

なぜ {Naked}と{Drip}に分けたのか・・・。

申し訳ないが『REFLECTION』のリリースはこれまで以上にファンのことを考えていない仕方だったと思う。

ひとこと

名盤なのだけれど、リリースの仕方がなぁ・・・

ミスチル/18thアルバム『REFLECTION』の全収録曲レビュー一覧

クリックすると各曲のレビュー記事へととびます。

{Naked}

*は{Naked}のみ収録

1.fantasy

2.FIGHT CLUB

3.斜陽

4.Melody

5.蜘蛛の糸

6.I Can Make It*

7.ROLLINʼ ROLLING 〜 一見は百聞に如かず*

8.放たれる(配信限定シングル第六弾)*

9.街の風景*

10.運命*

11.足音 〜Be Strong(35thシングル)

12.忘れ得ぬ人

13.You make me happy*

14.Jewelry*

15.REM(配信限定シングル第五弾)

16.WALTZ

17.進化論

18.幻聴

19.Reflection(インストゥルメンタル)

20.遠くへと*

21.I wanna be there*

22.Starting Over

23.未完

 

{Drip}

1.未完

2.FIGHT CLUB

3.斜陽

4.Melody

5.蜘蛛の糸

6.Starting Over

7.忘れ得ぬ人

8.Reflection(インストゥルメンタル)

9.fantasy

10.REM(配信限定シングル第五弾)

11.WALTZ

12.進化論

13.幻聴

14.足音 〜Be Strong(35thシングル)

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まとめ

"ミスチルの本気"を、これまで以上に感じた作品だった。

ミスチルを聴き始める人も、長年のファンも十分に満足できる名盤だ。

もはやアルバムというよりは作品集なので、次作に期待したい。

次作こそが完全にミスチルがセルフプロデュースになるアルバム。

そのため次作でミスチルが小林武史と離れて正解だったのかが明らかになるであろう。

ひとこと

『REFLECTION』を越えるというのはかなりハードルが高いけど、次作に期待!




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