軽いテンポの1曲。とりたててキャッチーでもないが、人間の裏表をファスナーに例えた内容は秀逸。歌詞の中には「ウルトラマン」「仮面ライダー」が登場するなど、どこか異彩を放つ1曲だ。
この記事の概要
- 「ファスナー」のみんなの評価は?
- 「ファスナー」とは一体どういう曲なのか?
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ミスチル/10thアルバム『IT'S A WONDERFUL WORLD』の7曲目「ファスナー」
そもそも「ファスナー」って?
Mr.Childrenが2002年5月10日に発売した10thアルバム『IT'S A WONDERFUL WORLD』に収録されている。
軽いテンポで淡々と桜井が歌うのだが、内容がけっこうキツい1曲(笑)。
また、勘違いしてしまいそうな歌詞が所々に登場する。
例えば、冒頭の歌詞なんかは特に勘違いしてしまうはず(^_^;)。
昨日君が自分から下ろしたスカートのファスナー およそ期待した通りのあれが僕を締めつけた
"あれ"という言い回しがとても意味深である(笑)。
初めてこの箇所を聴いたときは「変な歌詞だなぁ」と思ってしまった。
ただ、これは間違いなく桜井の遊び心。
ファスナーと聞いて、少なからず"社会の窓"を連想する人がいるはず。
そんな人がこの歌詞を聴くと、歌詞の"あれ"がチンチンだと思ってしまうのだ(笑)。
それを桜井は想定してこんな歌詞を書いたんだと思う。
もちろん、この曲は下半身についての内容ではない。
この曲での「ファスナー」というのは人間や物事には裏があるということの比喩である。
どんなに親しい人にだって、自分には見せてくれない裏、つまり、ファスナーの中身が存在する・・・、そんな悲壮感のある1曲でもあるのだ。
スガシカオを意識した1曲でもある
ちなみにこの曲はスガシカオを意識して制作されたらしい。
そのせいもあってか、スガシカオ自身、この曲を絶賛している。
スガシカオのベストアルバム『SugarlessII』では「ファスナー〈with 桜井和寿(Mr.Children)〉 」と称して、桜井がゲストボーカルとして参加したカヴァーバージョンが収録されている。
ひとこと
歌詞の秀逸さは一品級
「ファスナー」のみんなの評価は?
ひとこと
やっぱりこの曲はメロディーよりも歌詞に注目(耳)
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ここからは管理人の「ファスナー」独自解釈!
【ファスナー/歌詞解釈①】恋人に対する不信感
1番の歌詞では、主人公と恋人の冷め切った関係が描かれている。
主人公にとって恋人は大切しなければならない存在ではないと気付いてしまう。
なんでこのような考えに至ったのかは明らかにされていない。
ただ、主人公は恋人に対してかなり疑心暗鬼になっていることがわかる。
サビの一部の歌詞を引用したので見てほしい。
君の背中にもファスナーが付いていて 僕の手の届かない闇の中で違う顔を誰かに見せているんだろう
恋人はきっと裏の顔がある、そんな疑いが主人公にはある。
きっと、主人公は恋人の態度に違和感を感じていたのかもしれない(^_^;)。
けっこう生々しくて悲しい歌詞だけれど、曲調が軽やかなので明るい気持ちで聴けてしまう。
ひとこと
生々しく恋愛末期を描いている
【ファスナー/歌詞解釈②】冷めていたのは主人公の方!?
2番の歌詞でも、1番の歌詞と同様に主人公と恋人の冷め切った関係を描いている。
ただ、2番の歌詞で冷めていたのは主人公の方だと分かる。
おそらく、主人公は恋人の態度が変わり、「これは浮気しているのか?」と思ったのだろう。
次の引用した歌詞を見てほしい。
帰り際リビングで僕が上げてやるファスナー 御座なりの優しさは今一つ精彩を欠くんだ
お互い愛しあい、恋人が帰るというシーン。
ただ、後半部を見ると、主人公は恋人に対して本当にもう愛がないのだと分かる(^_^;)。
"御座なり"とは"その場しのぎ"のという意味。
"精彩"とは"美しさ"という意味である。
つまり、恋人への優しさというのはその場しのぎでやっていたのだ。
ひとこと
"御座なりの優しさは今一つ精彩を欠く"って、すごい歌詞だなぁ
【ファスナー/歌詞解釈③】裏表があるからこそ素晴らしいという考え方
もうこの世の中には裏表のないもの、つまり、ファスナーがないものなんてないのかもしれない。
だけれど、結局主人公はファスナーがあってもいいじゃない!という前向きな考え方に変わる。
次の引用した歌詞を見てほしい。
惜しみない敬意と愛を込めてファスナーを・・・
裏表があるからこそ、素晴らしい。
そんな考えを主人公は持ち始めたのだ。
ただ、疑心暗鬼になりすぎて狂ってしまったのか?とも思ってしまう(笑)。
ひとこと
誰にだってファスナーはある。
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まとめ
軽いアップテンポな曲調の割には、歌詞は生々しくて切なさを帯びている。
歌詞に関して言うと、たしかに「上手いことを言おうとしてるな」というあざとさを感じる人が少なくないかもしれない。
ただ、個人的には秀逸だと思うし、考えさせられる深い内容になっていると思う。
ひとこと
あなたにもファスナーがついている
「ファスナー」の評価
5点満点中3点
「君の背中にもファスナーが付いていて」