元々はボツだったこの曲。それがこんなにもキャッチーでシングル級な1曲に仕上げるのは流石としか言い様がない。ただ35thシングル「足音 〜Be Strong」と似ているので印象に残りずらい。
この記事の概要
- 「Starting Over」のみんなの評価は?
- 「Starting Over」とは一体どういう曲なのか?
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ミスチル/18thアルバム『REFLECTION』({Naked}&{Drip})の収録曲「Starting Over」
そもそも「Starting Over」って?
Mr.Childrenが2015年6月4日に発売した18thアルバム『REFLECTION』({Naked}&{Drip})に収録されている。
この曲は35thシングル「足音 〜Be Strong」の元になった1曲でもある。
これは「足音 〜Be Strong」レビュー記事に記述してあるのでぜひ見てほしい。
>>>"深い意味"がある35thシングル「足音 〜Be Strong」~歌詞の意味とは?【歌詞解釈】
初めて聴いたときは「足音とすごく似てる」と思い、あまり印象に残らなかった。
やはりこの曲を聴くと「足音 〜Be Strong」を連想せざるを得ない。
アニメ映画「バケモノの子」の主題歌になっているだけあって、キャッチーで耳に残りやすい。
シングルにしても全然違和感はないだろう。
それでも、この曲の存在意義がどうしてもよくわからない。
曲調も内容も「足音 〜Be Strong」とほぼ同じなので「聴くなら足音でいいや」となってしまう。
もし次回作に収録されていたら、この曲に対する印象は変わっていただろう。
さすがに「足音 〜Be Strong」と同じアルバムに収録するのはどうなのか。。。
ひとこと
まぁ『REFLECTION』は桜井たちの「今現在のミスチルを聴いてほしい」という想いが強かったので、あまりアルバムの世界観を考慮していないので仕方ない。。。
「Starting Over」のみんなの評価は?
ひとこと
この曲は評判良い!
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ここからは管理人の「Starting Over」独自解釈!
【Starting Over/歌詞解釈①】ボツになってしまったこの曲を蘇らせた意味
『REFLECTION』発売直後に放映されたSONGSスペシャル「Mr.Children “静かな闘い” 365日密着ドキュメント」では、この曲の制作過程が一際大きく取り挙げられていた。
そのため、シングル級な曲が多い『REFLECTION』の中でも「Starting Over」はメンバー自身にとりわけ強い思い入れがあることが分かる。
これは元々フジテレビ系ドラマ『信長協奏曲』のオファーによって制作開始したが、結局ボツになってしまったという挫折があったからこそだ。
この挫折によって、セルフプロデュースへの不安が増大したはず。
「育ての親であるプロデューサー小林武史と決別したことは、間違いだったのではないか。」
そんな不安を胸に閉まってアルバム制作に取りかかっていたのだろう。
つまり、この曲はメンバーにとってどこか胸につかえるものだったのだ。
だからこそ、ボツになってしまったこの曲を蘇らせたことは"ミスチル自身の挑戦"。
「セルフプロデュースになった以上、上手くいかないというだけでこの曲から逃げるわけにいかない」
そんな覚悟を胸に、"やり直す"という意味の英語「Starting Over」をこの曲に命名し、見事蘇らせたのである。
ひとこと
こういう背景を知るとより良い曲に聞こえる
【Starting Over/歌詞解釈②】新しい自分になるには?
この曲のテーマとなっているのが"自分自身の中に潜むモンスターの殺害"。
しかし「そのモンスターは一体何者なのか」というのは明確に描かれていない。
「なぜ主人公はそのモンスターを殺害したいのか」ということさえも。
サビにこの曲で最も重要な歌詞が登場する。
「何かが終わり また何かが始まるんだ」
この歌詞は"新しい自分になるには犠牲がつきもの"ということを伝えている。
けっこうこの歌詞に励まされたという人が多いらしいけど、個人的には悲観的なニュアンスがしてならない。
結局は何かを失わない限り、人は生まれ変わることができない。
曲中の"モンスター"がただただ恐い怪物ではないように描かれているのも面白い。
追い詰めたモンスターの目の奥に 孤独と純粋さを見付ける 捨てられた子猫みたいに 身体を丸め怯えてる
自分が殺害しようとしている"モンスター"を"子猫みたい"と主人公は思っている。
つまり、新しい自分にはなりたいけど、犠牲になってしまうものに対しての愛着心があるため地団駄踏んでいる状態を表しているのだ。
自分にとって別に重要でもないものを犠牲にしたって、新しい自分にはなれない。
この曲は現実的で、そして悲観的に「新しい自分になるには?」を聴き手に突きたてるのである。
ひとこと
新しい自分になるのって、そう簡単ではない。。。
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まとめ
最後にサビのある歌詞を引用したので見てほしい。
僕だけが行ける世界で銃声が轟く 眩い 儚い 閃光が駆けていった
結局、主人公は子猫みたいに愛着があったモンスターを殺害する。
それでも大サビにはこの歌詞の直前に"今日も"とあり、モンスターはそう簡単に死なないことが明らかになる。
つまり、犠牲を払うことへの覚悟が主人公は足りていないのだ。
この曲の内容は案外奥が深い。
新しい自分になりたいという気持ち、犠牲を払うことへの後悔、そして覚悟の足り無い自分への嫌悪。
そんな様々な気持ちが入り混じった1曲なのだ。
ひとこと
この曲は"励まされる"というよりも"考えさせられる"
「Starting Over」の評価
5点満点中3点
個人的には「足音〜Be Strong」の方が好き...