ピアノの音色が切ないミディアムバラード。また収録アルバム『[(an imitation) blood orange]』の中では最も重要な1曲でもある。
この記事の概要
- 「イミテーションの木」のみんなの評価は?
- 「イミテーションの木」とは一体どういう曲なのか?
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ミスチル/17thアルバム『[(an imitation) blood orange]』の6曲目「イミテーションの木」
そもそも「イミテーションの木」って?
Mr.Childrenが2012年11月28日に発売した17thアルバム『[(an imitation) blood orange]』に収録されている。
ピアノの音色が切ない雰囲気をかもちだしている1曲。
34thシングルの「祈り 〜涙の軌道」や「常套句」ではピアノの音(つまり小林武史)の存在がうっとうしく感じたが、この曲は全然うっとうしくない。
>>>"あの曲"の二番煎じ。。。!?「祈り 〜涙の軌道」~歌詞の意味とは?【歌詞解釈】
>>>"目立った活躍"をしたシンプルバラード「常套句」~歌詞の意味とは?【歌詞解釈】
逆にピアノ主体の曲調だからこそ、この曲のかもち出す憂いや切なさがより際立っている。
個人的にはかなり好きな1曲だ。
また、収録アルバムの中では最も重要な1曲でもある。
なぜならば、収録アルバムのタイトルが『[(an imitation) blood orange]』であり、この曲のタイトルとほとんど意味が同じだからだ。
そのため、なぜ17thアルバムを『[(an imitation) blood orange]』と名づけたのかがこの曲を解釈することで分かるはず。
ひとこと
キュっと胸を締め付けられる歌詞なんだよなぁ
「イミテーションの木」のみんなの評価は?
ひとこと
この曲がなければアルバムのタイトルは変わってたはず
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ここからは管理人の「イミテーションの木」独自解釈!
【イミテーションの木/歌詞解釈①】「イミテーションの木」の意味は?
"イミテーション"とは"はりぼて"を意味する英語である。
つまり、この曲のタイトルである「イミテーションの木」というのは偽物の木だ。
なんだか"イミテーション"というフレーズはネガティブな意味としてとらえてしまう。
しかし、この曲が描く"イミテーション"というのはいわばポジティブの象徴である。
ひとこと
"偽物"を受け入れる大切さ
【イミテーションの木/歌詞解釈②】時間は残酷にも過ぎてゆく。
主人公は憂いている。
なぜならば、戻らぬあの頃を思い出してしまい現在がより悪く見えてしまっているからだ。
1番の歌詞はノスタルジーに浸れること間違いなしだろう。
恋人と砂浜で遊んだある夏の日。
青白く光を放った手持ち花火に浮かび上がる恋人の横顔。
そして、風に乗ってやってくる火薬のにおい…。
このような淡い青春の1ページを主人公は思い出している。
しかし、そんな日々は遠い過去の話。
どんなに思い出しても戻ることはできない。
過去を思い出してノスタルジーに浸る、こういうことは誰もが経験したことがあるはず。
良いことだとは思うけれど、相対的に現在がより悪く見えてしまう。
次の引用した歌詞を見てほしい。
リニューアルしたビルの中 イミテーションの木が茂る その永遠の緑をボーっと見ていた
"イミテーション"というのは時間の概念がない。
いつまでもそのまま。
主人公が見ていた木も、本物の木のように腐り果て消えて無くなることはない。
永遠に緑が茂っているのだ。
過去を思い出していた主人公にとって、"イミテーションの木"はうらやましいものだっただろう。
過去もなく、そして未来もないのだから。
ひとこと
時の流れがない"イミテーション"
【イミテーションの木/歌詞解釈③】生きているだけでいい。
はたして"イミテーションの木"を見た主人公は何を思ったのだろうか。
2番の歌詞では主人公の決意が描かれている。
次の引用した歌詞を見てほしい。
イミテーションの木の下を少年が飛び跳ねている それを見た誰かの顔がほころぶ 情熱も夢も持たない張りぼての命だとしても こんなふうに誰かをそっと癒せるなら
生きているだけでいい、そんなことを主人公は思ったのだ。
イミテーションであろうとも、その木によって誰かの顔がほころんでいた。
本物じゃなくても存在意義はあるのだ。
過去に想いを馳せていた主人公が過去も未来もない"イミテーションの木"を肯定的にとらえたのは、いかにも現在をただただ生きるだけで良いという想いが芽生えたからに違いないはず。
ひとこと
どんなもの(人)であろうとも存在意義はある
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まとめ
収録アルバム『[(an imitation) blood orange]』は東日本大震災後に発売した初のアルバム。
そのため、この曲およびアルバムタイトルに"イミテーション"を名づけたのは桜井の"ある想い"が反映されている気がする。
つまり、「"偽善"でも良い」という想いだ。
どんなに自分の想いとかけ離れていようとも、他人を幸せにできるのなら"イミテーション"としてでも良い。
そんなことを桜井は東日本大震災以降、考えていたのかなとも思う。
17thアルバム『[(an imitation) blood orange]』
ひとこと
"イミテーション"に対する考え方を今一度改められる1曲だ
「イミテーションの木」の評価
5点満点中4.5点
ピアノ主体の曲調が歌詞とマッチしている