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初のハードロックに徹したシングル。また、6thアルバム『RUN』の先行シングルでもある。松本は本作にかなりの想いを掛けており、あえてタイアップを付けずに発売した。凄まじい勢いのサビやラップなど聴きどころ満載であり、どこをとってもかっこいい1曲に仕上がっている。
この記事の概要
- 「ZERO」のみんなの評価は?
- 「ZERO」とは一体どういう曲なのか?
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B'z/11thシングル「ZERO」
そもそも「ZERO」って?
B'zが1992年10月7日に発売した11thシングル。
本作から約3週間後に発売された6thアルバム『RUN』の先行シングルである。
>>>初めてハードロックに挑んだ名盤!6thアルバム『RUN』【アルバムレビュー】
メモ
元々6thアルバムのタイトルは本作同様『ZERO』になるはずだった。しかし名曲「RUN」が製作され、そちらの方がアルバムタイトルにふさわしいということで変更された。
前作「BLOWIN'」では"聴きやすさ"を含んだB'zらしい曲だったのに対して、本作はハードロックに徹した、当時のB'z像を打ち破る曲であった。
>>>ついに"B'zらしさ"が炸裂した名曲!「BLOWIN'」~歌詞の意味とは?【歌詞解釈】
5thアルバム『IN THE LIFE』で取り入れたJ-POP感が本作では完全に消え失せており、今でこそハードロックのイメージがついたB'zだったが、当時としてはかなり挑戦的な作風だった。
>>>B'zとしては初の200万枚を越えたポップアルバム!5thアルバム『IN THE LIFE』【アルバムレビュー】
当時は2nd beatの方が人気だった
2nd beat「恋心(KOI-GOKORO)」は「ZERO」とは打って変わって非常にポップな作風である。そのため、当時の有線ランキングではA面の「ZERO」よりも人気だったという。これに関して松本は「非常に残念な結果になってしまった」と発言している。というか、11thシングルはA面もB面もファンからの人気がとりわけ高いというとてつもなく贅沢なシングルだった。
今になってB'z作品を追ってみると「BLOWIN'」の次が「ZERO」と、いかに当時のB'zが名曲を大量生産していたかがわかる。
2番から始まる凄まじい勢いのサビ、2番直後のラップ、稲葉の笑い声など聴きどころ満載。
また、シングルでは初めて病んでいる主人公であり、いよいよ稲葉の闇が垣間見えてくるという重要作品でもある。
ディスコグラフィ的には、本作のあとに例外的にポップ路線のシングルが2作発売されるが、7thアルバムあたりのいわゆる暗黒時代の予兆を感じさせる作品だ。
ノンタイアップにも関わらずミリオン達成
シングルにしてはあまりにもハードロックな作風だったため、スタッフは売れないと判断しタイアップを付けようと打診したらしい。
しかしながら、松本が「勝負したい」ということで3rdシングル「LADY-GO-ROUND」以来のノンタイアップとなった。
>>>初期ラストシングルだけど人気がない!?「LADY-GO-ROUND」~歌詞の意味とは?【歌詞解釈】
ちなみに本作発売から17年後の2009年にキリンビールの発泡酒『麒麟 ZERO』のCMソングに起用された。17年後にタイアップが付くってすごいな…。
松本は本当に「ZERO」に対する想いが強く、当時のインタビューでは「これをシングルにするのは大きな博打」「結果が出てからすべて話す」などいうコメントまで残している。
これほどまでに強い想いがあることを考慮すると、もし本作が売れなかったらおそらくB'zはこの先ハードロックを基調とする作品をつくることはなかったと思うので、"B'zの未来を変えたシングル"といっても過言ではない。
ノンタイアップにも関わらず2週連続1位を記録し、累計売上は120万枚となった。
前作「BLOWIN'」からおよそ50万枚低下したけれど、作風が作風なので十分すぎる結果だ。
>>>ついに"B'zらしさ"が炸裂した名曲!「BLOWIN'」~歌詞の意味とは?【歌詞解釈】
ひとこと
この曲でハードロックに目覚めた人は少なくないはず
「ZERO」のみんなの評価は?
ひとこと
刺激的な1曲
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ここからは管理人の「ZERO」独自解釈!
【ZERO/歌詞解釈①】精神状態が悪すぎる主人公の悲痛な叫び
タイトルの「ZERO」は、サビの最後に"ゼロ"になろうという歌詞が登場するため"無"と解釈してよさそうだ。
都会住まいに嫌気をさした主人公が、何もかもが嫌になってしまい、最終的には無になりたいという非常に悲惨な内容である。
それでもノリッノリのハードロックなので悲壮感がまったくない。
むしろ「どうにでもなれ!」感が強い。
特に主人公の精神状態がいかに悪いかがわかる歌詞を引用してみた。
僕は僕自身に一日分の言い訳をはじめる たちの悪いくせだね このまま車ごと君の家につっこもうかなんてことまで浮かんでくる
これ、はじめて聴いたとき鳥肌が立った笑。
"車ごと家につっこもう"って、さすがにこれ歌詞にしていいのかと思ってしまった笑。
ちなみに歌詞中に"君"はこの引用した歌詞を含めて2回しか登場しない。
そのため、主人公とはどのような関係性なのか全くわからない。
個人的には、主人公を稲葉だとして、"君"とは私たちファンのことだと解釈している。
そうなるとサビの"今会いたい すぐ会いたい"も"ファンに会いたい"と解釈できる笑。
ひとこと
稲葉が車で突っ込んできたら怖すぎる笑
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まとめ
なんといってもサビの勢いが最高すぎる。
当時はこんな完成度の高いハードロックが挑戦的で、松本も売れるかわからない状態だったことを考えると、いかに当時のB'zがまだポップ路線にいたかがわかる。
B'zの未来を変えたシングルでもあると思うので、「ZERO」なくして今のB'zはない。
ひとこと
これが売れなくて、それでもハードロック路線を貫ぬいていたら、確実に"国民的"にはなってないはず