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半年ぶりという当時のミスチルにとっては早めのスパンでの発売となった37thシングル。前作「ヒカリノアトリエ」とは打って変わり、愛する人への嫉妬心と劣等感をあらわした歌詞が登場するなど、どこか鬱々しさを含んでいる。
この記事の概要
- 「himawari」のみんなの評価は?
- 「himawari」とは一体どういう曲なのか?
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ミスチル/37thシングル「himawari」
そもそも「himawari」って?
Mr.Childrenが2017年7月26日に発売した37thシングル。
累計売上は16万枚と、見事前作の売上げを維持することができた。
前作「ヒカリノアトリエ」からおよそ半年ぶりのシングル。
>>>もはや1stシングル!?「ヒカリノアトリエ」~歌詞の意味とは?【歌詞解釈】
半年というスパンは当時のミスチルにしてはとても早かった。
CDシングルのスパン
(直近)CDシングル | 発売年 |
33rd「HANABI」 | 2008年 |
34th「祈り 〜涙の軌道/End of the day/pieces」 | 2012年 (4年ぶり) |
35th「足音 〜Be Strong」 | 2014年 (2年ぶり) |
36th「ヒカリノアトリエ」 | 2017年 (2年ぶり) |
37th「himawari」 | 2017年 (半年ぶり) |
※1年にCDシングルが2枚以上リリースしたのは2008年以来9年ぶりだった。
配信限定シングルが多かったのでこれは良い傾向だ。
また、本作も前作同様に無音トラックを除くと全7曲も収録されている。
個人的に今回の選曲はかなり好き。
前作にはなかった新カップリング曲「忙しい僕ら」が収録されているのも良いし、「メインストリートへ行こう」や「跳べ」などマニアック曲の割合が多いのも良い。
収録曲
- himawari
- メインストリートに行こう (Hall Tour 2017 ヒカリノアトリエ)
- PIANO MAN (Hall Tour 2017 ヒカリノアトリエ)
- 跳べ (Hall Tour 2017 ヒカリノアトリエ)
- 終わりなき旅 (2017.4.23 YOKOHAMA)
- 忙しい僕ら
- I LOVE CD SHOPS! (無音トラック)*
- ファスナー (スガフェス! 2017.5.6 SAITAMA)
*「I LOVE CD Shops!」とは2016年に桜井が始めたプロジェクトの名前。特に意味はない。
こういうミニアルバム的な作品になるのはCDが売れない現代に適応した形式だ。
そのため次のシングルも既存曲のライブ音源(または再録)が収録されると思うので「どういう選曲なのか?」という新たな楽しみが生まれる。
ひとこと
"CDが売れない時代だからこその楽しみ"もある
「himawari」のみんなの評価は?
ひとこと
骨太サウンドだね
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ここからは管理人の「himawari」独自解釈!
【himawari/歌詞解釈①】『REFLECTION』の流れを汲むシングル
前作「ヒカリノアトリエ」とは打って変わって、ロックサウンド爆発の骨太ソング。
>>>もはや1stシングル!?「ヒカリノアトリエ」~歌詞の意味とは?【歌詞解釈】
「ヒカリノアトリエ」はあくまでバンド・ヒカリノアトリエの1曲というイレギュラー的な作品だった。
そのため「himawari」は18thアルバム『REFLECTION』の流れを汲んだ初めてのシングルである。
「ミスチルはバンドなんだ」と感じる1曲なので、90年代後期のミスチルを連想させる。
また、歌詞がどこか鬱々しいのもグッド。
ひとこと
ロックサウンド+鬱歌詞の組み合わせはやっぱり好き
【himawari/歌詞解釈②】笑顔の裏にある悲しみ
東宝系映画『君の膵臓をたべたい』の主題歌となった1曲。
桜井は映画サイドからのオファーを受けて書き下ろし、以下のコメントを寄せている。
この物語の中にある苦しい程の美しさ、強さ、優しさ、残酷さ。それらを包み込みながらも更に拡がりを持って押し出していける、そんな音を探して探して、やっとのこと辿り着いた曲は、自分の想像を超え、また新しい力を与えてくれるものでした
"苦しい程の美しさ、強さ、優しさ、残酷さ"、まさにこれらを体現した1曲だということは聴いた人なら分かるはず。
また『君の膵臓をたべたい』の主人公の名前が桜良(さくら)。
そのため桜井はこの曲を桜の次の季節に咲く花の名にしたのだ。
これはおそらく「余命宣告をされ、結局は殺されてしまう桜良(さくら)という女性の意思は、春から夏にまたぐかのように永遠に生き続ける」という意味が込められているのであろう。
ただこれだとあまりにも『君の膵臓をたべたい』という作品に癒着しすぎている。
そのため、しっかりと歌詞には"ひまわり"が登場する。
暗がりで咲いてるひまわり 嵐が去ったあとの陽だまり そんな君に僕は恋してた
ひまわり=陽だまり=君(『君の膵臓をたべたい』の桜良)ということだ。
"暗がり"や"嵐"といったネガティブなワードを含ませることで「笑顔の裏にある悲しみ」をあらわしている。
これは冒頭の"優しさの死に化粧で笑ってるように見せてる"という歌詞でも同様のことだ。
ひとこと
"優しさの死に化粧"って言葉、どうやったら思いつくんだ・・・
【himawari/歌詞解釈③】愛するが故に生まれるコンプレックス
この曲は終始"君"に対する想いを描いている。
しかしながら、ある箇所だけは全く"君"とは関係のない内容になっているのだ。
それがCメロである。
諦めること 妥協すること 誰かにあわせて生きること 考えてる風でいて 実はそんなに深く考えていやしないこと 思いを飲み込む美学と 自分を言いくるめて 実際は面倒臭いことから逃げるようにして邪にただ生きている
"君"のことは全く描かれていなく、"自分自身の弱さ"を徹底的に、そしてリアルに描いている。
この歌詞を聴いたとき「すごい・・・」と思った。
なぜならばこのCメロの歌詞によって「himawari」という作品が"ただのラブソング"から"コンプレックスに悩む人間を描いた1曲"に仕上げているからだ。
この曲における主人公は"君"への愛しい想いがある。
ただ、それと同時に"君"に対する嫉妬心、そして劣等感も生まれているのだ。
あまりにも美しすぎる存在を目の前にしてしまうと、人間は自分と比べてしまうのだ。
主人公もまさに"君"と自分を比べており、その比べた結果がこのCメロの歌詞なのだ。
ひとこと
愛情に付随する"嫉妬心と劣等感"をあらわした曲ってなかなかない
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まとめ
恋人への愛情と、それに伴って生まれる嫉妬心と劣等感をあらわした歌詞、そして骨太なメロディーも、どれもかなり高い完成度に仕上がっている。
ただ1回聴いただけで耳に残るというインパクトはない。
聴けば聴くほど好きになっていくタイプの1曲だ。
ひとこと
この曲に"1回聴いただけで耳に残るインパクト性"が加われば、おそらく「HANABI」を越えたかもしれない
「himawari」の評価
5点満点中4点
ロックサウンドはやっぱ良い