32ndシングル「GIFT」のカップリング曲。2018年現在、いまだにこの曲はアルバムに収録されていない。些細な情景から始まる"人生の重ね合わせ"は『HOME』以降の桜井なりの"ありふれた日々の素晴らしさ"をあらわしているように思える。
この記事の概要
- 「横断歩道を渡る人たち」のみんなの評価は?
- 「横断歩道を渡る人たち」とは一体どういう曲なのか?
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ミスチル/32ndシングルのカップリング曲「横断歩道を渡る人たち」
そもそも「横断歩道を渡る人たち」って?
Mr.Childrenが2008年7月30日に発売した32ndシングル「GIFT」のカップリング曲。
>>>汎用性が高い1曲!?「GIFT」~歌詞の意味とは?【歌詞解釈】
14thアルバムの『B-SIDE』は29thシングルまでのカップリング曲が収録された。
>>>名曲揃いのカップリング集14thアルバム『B-SIDE』【アルバムレビュー】
つまり30thシングルからのカップリング曲はそのシングルでしか聴けないものが多い。
もちろんカップリング曲をアルバムに収録することがある。
「横断歩道を渡る人たち」は『B-SIDE』発売以降初めてアルバムに収録されなかったカップリングである。
そのため2018年現在でも「横断歩道を渡る人たち」をCDで聴くには32ndシングルを買うしかない。
メモ
Mr.Children/Split The Difference [DVD]
ちなみにドキュメンタリー映像作品「Mr.Children / Split the Difference」の付いているCDには「横断歩道を渡る人たち」は収録されている。ただライブ音源になっているので、やはりオリジナルバージョンを聴くには32ndシングルを買うしかない・・・。
ひとこと
最近はiTunesでも全曲配信されているから聴きやすくはなっている
「横断歩道を渡る人たち」のみんなの評価は?
ひとこと
情景描写が全ての1曲
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ここからは管理人の「横断歩道を渡る人たち」独自解釈!
【横断歩道を渡る人たち/歌詞解釈①】自分自身の人生を重ね合わせる
この曲はまさにタイトルどおり"横断歩道を渡る人たち"を描いている。
ただそれだけ。
それでもなぜか胸に響くのは"すれ違う人たちであろうとも、それぞれの人生があるという素晴らしさ"を間接的に伝えているからだろう。
横断歩道というのは光によって誰もが止まり、誰もが進む。
桜井はこの横断歩道のあまりにも単純すぎる性質に目を付けた。
これぞアーティストであり、天才と呼ぶべき目の付け所である。
この曲の醍醐味であろう歌詞を引用してみた。
昨日の僕が 明日の僕が 今 目の前を通り過ぎてく
この曲では主人公、つまり桜井は車に乗っている設定になっている。
この歌詞は"横断歩道を渡る多種多様な人物の人生"に自身の人生を重ね合わせている様子をあらわしているのだ。
"昨日の僕"とは"過去の自分"のこと。
そして"明日の僕"とは"未来の自分"のことだ。
この曲に登場する人物
「横断歩道を渡る人たち」には登場人物が主人公を除くと5人。
- 老人
- 女
- 親子(母親と息子)
- ギターケースを抱える少年
この5人の登場人物を見てみると主人公が誰に過去と未来を重ね合わせたのか想像できる。
つまり、"昨日の僕"=過去の自分="親子(息子)"および"ギターケースを抱える少年"だ。
そして"明日の自分"=未来の自分="老人"ということ。
ひとこと
些細な情景の中に自分の人生を重ね合わせる
【横断歩道を渡る人たち/歌詞解釈②】重ね合わせられない"女"をあえて登場させた
この曲の登場人物の中で、唯一主人公が自分の人生を重ね合わせられないのが"女"だ。
主人公は桜井としてレビューしているので、主人公の性別は男性。
そのため"女"の描写だけは「リアクション」だけしか主人公は想像できていないのだ。
目の前を颯爽と歩くその女のスカートはひどく短くて ついつい目が奪われてしまう 強い風でも吹かぬものかと そんな視線に気が付いたら きっと彼女は僕を睨みつけてくるだろう 「自分の為にしてるだけ」だと「誰かの気を引きたいわけじゃない」と
つまり男と女は同じ人間でありながら、別々の生き物だということだ。
なぜ登場人物に人生を重ね合わせられなう"女"を出したのか。
それはあくまでこの曲は根本的に「横断歩道という誰もが一斉に歩き出す場所で通り過ぎる多種多様な人物」を描いただけだからだ。
もし桜井がこの曲のテーマを"自分の人生を他者に重ねる"にしていたら"女"を出そうとはしなかったはず。
ようするに、作り手による説教じみたメッセージが込められていないからこそ、この曲は聴き手によって様々な解釈ができ、奥が深くなっていくのだ。
ひとこと
聴き手の解釈がこの曲に価値を付けていく
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まとめ
キャッチーでもないメロディーさえ気にならないほど、この曲は歌詞が物を言う。
字余りに歌う桜井からも「この曲で歌いたい描写がたくさんある」という熱意を感じる。
ひとこと
この曲を聴けば横断歩道が幾分か好きになりそう笑