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1992年8月21日発売。Mr.Childrenの記念すべき1stシングル。およそ3ヶ月前にデビューアルバム『EVERYTHING』が発売されており、そのアルバムにこの曲が収録されているため、シングルカットされたものである。
この記事の概要
- 「君がいた夏」のみんなの評価は?
- 「君がいた夏」とは一体どういう曲なのか?
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ミスチル/1stシングル「君がいた夏」
そもそも「君がいた夏」って?
ミスチルの記念すべき1stシングル。
オリコン週間最高順位が69位であり、まだ世間的にはMr.Childrenの存在自体が認識されていなかった。
この最高順位69位は、Mr.Childrenの全CD作品では最低順位である。Mr.Childrenというブランドが確立されている現代では、この最低順位を更新することは絶対ないだろう。
穏やかなメロディーで1stシングルにしては地味な印象をうける。
この曲を聴いて、彼らがのちにミスチル現象と言われるまでの大ヒットを連発することを誰が想像できただろうか。
私がリアルタイムで聴いていたら、そんなのまったく想像できなかったと思う(笑)。
映画「君がいた夏」からタイトルをもらった本作
本作はアマチュア時代から存在していたらしい。
そのときのタイトルは「夏が終わる」だった。
33rdシングル「HANABI」のカップリングに「夏が終わる 〜夏の日のオマージュ〜」という楽曲が収録されている。副題の"夏の日のオマージュ"とは「1stシングルの原タイトルへのオマージュ」という意味が込められているのかもしれない。
どういった経緯があったかは不明だが、デビューするにあたり「君がいた夏」に改名された。
たしかに「夏が終わる」というタイトルは、さすがにデビューシングルにしては切なすぎる笑。
「君がいた夏」というタイトルは1988年公開の同名映画から引用している。
作品のあらすじを引用してみた。
プロ野球選手としての生活が終わったビリーの元に、従姉のケイティが自殺したとの知らせが届く。ビリーにとってケイティは初恋の女性であり、青春のすべてだった。ビリーはケイティの面影を求めて、彼女と過ごした思い出の地を旅する。
映画は"淡い青春の思い出"を描いているため、楽曲の内容と合致する。
桜井和寿と小林武史の共通点は「山形県」!?
ベストアルバムのライナーノーツによると、詩の背景になったのは桜井が子どもの頃に遊んだ山形の海だという。
桜井の母親は山形県出身らしく、学生時代はよく山形に遊びに行っていたらしい。
つまり、本作で描かれている恋愛は、山形で経験した桜井の実体験なのかもしれない…。
また、桜井自身も山形にスタジオ付きの別荘を持っていた。
そして、プロデューサーの小林武史はなんと山形県出身。
つまり、桜井和寿と小林武史は「山形県」とゆかりが深いのである。
デビューシングルを山形県の海をもとにした楽曲にしたのも、なにか運命を感じる。
ひとこと
山形県に育てられた桜井和寿と小林武史。山形県によって本作は作られたといっても過言ではない。
「君がいた夏」のみんなの評価は?
ポイント
地味だけど初期特有の爽やかさがある
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ここからは管理人の「君がいた夏」独自解釈!
【君がいた夏/歌詞解釈①】山形県の海で経験した恋
内容はタイトルからもわかるとおり、主人公が夏が来るたびに"君"がいた夏を思い出し、切なくもなり懐かしくもなるというもの。
歌詞には"海"や"ひまわり"などといった夏を感じる単語がでてくるが、切ない夏の終わりがテーマである。
ただ、主人公と"君"は歌詞を見ると普通の恋人同士ではないことがわかる。
次の引用した2つの歌詞を見てほしい。
誰よりも早く君を見つけたくて自転車で駆け抜けた真夏の朝早く
秋が来れば僕らまた元の場所へ
主人公と"君"の関係はきっと友達以上恋人未満にある。
しかし、2人は夏にしか会うことはできない。
おそらく、お互いいつも夏になると"ある地域"に何泊かしていたのだろう。
前述の通り、詩の背景になっているのが桜井が遊んだ山形県の海。
そのため、具体的に言うと、"ある地域"とは山形県だ。
そして、2人はいつしか顔なじみになり、今の関係になる。
でも、秋になると離ればなれになってしまうのだ。
ひとこと
淡い青春の想い出
【君がいた夏/歌詞解釈②】子ども(Children)同士の恋。
大人であれば夏以外にでも会うことができるはずだ。
しかし、歌詞を見ると2人は夏にしか会えない。
そのため、主人公たちはまだ自分たちで会いに行くことができない少年少女なのだ。
制限のある子供だからこそ感じる「夏にしか会えない」という甘酸っぱさ。
Mr.ChildrenがChildrenの恋を歌う。
バンド名から想像しやすい内容なので、デビューシングルにはもってこいだ笑。
ひとこと
制限があるからこそ良い想い出だった
【君がいた夏/歌詞解釈③】当時からミスチルらしさは健在
正直この曲は特に耳に残るメロディーでもない。
しかし、後に彼らが世に出していく作品を聴いてみると、この曲にはすでに"Mr.Childrenらしさ"があることが分かる。
次の引用した歌詞を見てほしい。
キリンぐらい首を長くしてずっと待っていたのがまるで夢のように
"首を長くする"という言葉は字面だけみれば意味がすぐわかるが、音だけではすぐに理解しづらい。
しかし、そこで首の長い"キリン"という言葉(生きもの)を使うことで、聴き手が状況を理解できやすくなるのだ。
メモ
ちなみに、同じく"キリン"を使った楽曲が18thアルバム収録の「進化論」である。「進化論」は本作以上に歌詞内の"キリン"の持つ意味が深い。
また、次の引用した歌詞にも同じような表現がある。
おもちゃの時計の針を戻しても何も変わらない
ここでは"おもちゃの時計"という言葉(もの)を使うことで主人公のあの夏に帰りたいという気持ちがいかに強いかをあらわしている。
このように、Mr.Childrenお得意の「ものを使ってあらわす」という特徴が1stシングルからでているのだ。
ひとこと
モノや生き物を使うのが上手い
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まとめ
1stシングルとは思えないほど地味。
だけれど、若さや爽やかさが詰まった1曲になっており、どこか懐かしさも感じる。
今聴いてもまったく古くさくないので、ぜひ夏(または夏の終わり)になったら聴いてみてほしい。
また、山形県の海がもとになっているので、山形県民のミスチルファンは嬉しいのでは。
「君がいた夏」の評価
5点満点中3点
青春の1曲って感じ