タイトルからして妖しげな雰囲気満載の怪作。実際、内容もまるで占い師に占ってもらうような構成になっているという特殊ソングだ。ただ、意外にもこの曲は"ミュージシャンならではの苦悩"がテーマになっている。
この記事の概要
- 「過去と未来と交信する男」のみんなの評価は?
- 「過去と未来と交信する男」とは一体どういう曲なのか?
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ミスチル/17thアルバム『[(an imitation) blood orange]』の9曲目「過去と未来と交信する男」
そもそも「過去と未来と交信する男」って?
Mr.Childrenが2012年11月28日に発売した17thアルバム『[(an imitation) blood orange]』に収録されている。
タイトルがとても妖しげな1曲。
不穏な雰囲気をかもちだしており、前曲「インマイタウン」に続く鬱々しい1曲でもある。
>>>"年末の寂しさ"を感じる1曲「インマイタウン」~歌詞の意味とは?【歌詞解釈】
ただ、この曲はほどんどが聴き手への励ましの歌詞になっている。
これこそ、この曲の醍醐味。
聴き手はまるで占い師に過去と未来を占ってもらうような内容になっているのだ。
つまり、"アトラクション型ソング"と言ってもいいだろう。
ただ、この曲はこういうアトラクション型にすることで、あるテーマを遠回しに描いている。
このテーマはまさに桜井、いやもはや全てのミュージシャンが悩んでいることの一つであろう。
テーマはずばり"医者の不養生"だ。
ひとこと
遠回しにミュージシャンの悩みを描く。。。!
「過去と未来と交信する男」のみんなの評価は?
ひとこと
ちなみにこの曲がライブのときオープニングだったのがびっくりした笑
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ここからは管理人の「過去と未来と交信する男」独自解釈!
【過去と未来と交信する男/歌詞解釈①】ことわざ"医者の不養生"から読み解く。
"医者の不養生"とはことわざの一つで、"人に養生を勧める医者が、自分は健康に注意しないこと"を意味する。
つまり、患者の健康はちゃんと気にするが、自分自身の健康には気にしなくなってしまうということだ。
このことわざはまさにミュージシャンにも言えることではないだろうか。
ミュージシャンは聴き手を励ましたり、勇気を与えてくれる曲を作る。
そして、その曲によって聴き手は励まされるのだ。
しかし、ミュージシャン側はどうだろうか。
聴き手を励ましてはいるけれど、自分自身を励ますことはできない。
そのため、いつの間にか自分自身の精神状態が悪くなってしまうのではないだろうか…。
この曲では冒頭と終わりに自己紹介のような歌詞が登場する。
終わりの歌詞を引用したので見てほしい。
わかっています 皆が私を見る懐疑的な目 そう私こそ過去と未来が見える この運命を少し呪う男
聴き手の顔が分からないにもかかわらず、ミュージシャンはまるで占い師のようにあたかも聴き手の過去や未来を分かったような曲をつくる。
別にこれは悪いことではなくて、聴き手に寄り添っているので良いことだと思う。
ただ、この曲ではそんなミュージシャンの生業をどこか否定的にとらえている。
"この運命を少し呪う男"というのも、桜井自身、自分が悩んでいる時期であっても、顔も分からない聴き手に寄り添った曲を書かなければならないという体験を何度もしているからこその歌詞だろう。
ひとこと
苦しくても、聴き手のために歌をつくるのがミュージシャン。。。
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まとめ
この曲は聴き手と作り手側の受ける印象はだいぶ違うだろう。
私たち聴き手はすごく励まされるし、作り手側は描かれている過去と未来と交信する男の苦悩に共感するはず。
次の引用した歌詞を見てほしい。
安らいだ未来が見えます 暖かなひだまりの中にあるベンチにあなたは座ってる だから心配はいらない 慌てずに行きなさいあなたが今歩くこの道を
この歌詞は私自身何度も励まされた。
設定として、主人公(過去と未来と交信する男)は占い師風なので、本当に占い師に自分の未来を占われたかのような安心感と説得力がある。
ただただ励まされたいがためにこの曲を聴くも良し、ミュージシャンの苦悩が描かれていることを念頭に置きじっくり聴くのも良しだ。
17thアルバム『[(an imitation) blood orange]』
ひとこと
今までに無かったジャンルの1曲なので、新鮮に聴ける
「過去と未来と交信する男」の評価
5点満点中3.5点
マイナーだけれど意外とハマる