コンセプトアルバムである収録アルバム『FRIENDS』における「解決」の役割を担っている1曲。『FRIENDS』のフィナーレを飾る1曲でもあり、いよいよ主人公と恋人を巡る物語が終わる。非常にエンディングらしい明るめのバラードだ。
この記事の概要
- 「どうしても君を失いたくない」のみんなの評価は?
- 「どうしても君を失いたくない」とは一体どういう曲なのか?
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B'z/4thミニアルバム収録曲「どうしても君を失いたくない」
そもそも「どうしても君を失いたくない」って?
B'zが1992年12月9日に発売した4thミニアルバム『FRIENDS』の収録曲。
『FRIENDS』は全曲通して1つの物語になるというコンセプトアルバムである。そのため、『FRIENDS』において「どうしても君を失いたくない」は"SCENE5"と表記されており、物語上の「解決」という役割を担っている。
『FRIENDS』のラストは「いつかのメリークリスマス(Reprise)」というインストゥルメンタルなので、「どうしても君を失いたくない」が実質的なエンディングナンバーだ。
いかにもエンディングらしいブラスセッションが響く1曲。
7thアルバム『The 7th Blues』収録の「farewell song」にかなり似ている。
演奏時間が6分7秒と、『FRIENDS』の中では最も長いが、あまり長さを感じない。
適度にキャッチーで聴きやすいので、個人的には好きな1曲だ。
"SCENE4"と表記されているインストゥルメンタル「SEASONS」
ちなみに、『FRIENDS』はインストゥルメンタルを除くと全4曲である。
その4曲に"SCENE ◯"と表記されているのだが、4曲目の「どうしても君を失いたくない」は"SCENE5"と表記されている。
実は、この曲の前に流れるインストゥルメンタル「SEASONS」が"SCENE4"なのだ。
『FRIENDS』において、インストゥルメンタルで"SCENE ◯"と表記されているのは「SEASONS」のみ。
つまり、物語上では「SEASONS」はインストゥルメンタルにもかかわらず重要な役割を果たしているということだ。
「SEASONS」とは日本語で"季節(たち)"。
『FRIENDS』の舞台は冬。
「どうしても君を失いたくない」の冒頭の歌詞を引用したので見てほしい。
狂いなく 季節は繰り返し 新しい冬がまた来る
つまり「SEASONS」の役割は"時の経過"であり、「恋じゃなくなる日」と「どうしても君を失いたくない」の間に何年かの時が流れていたことを示しているのだ。
>>>復縁した二人に訪れる別れの気配・・・「恋じゃなくなる日」~歌詞の意味とは?【歌詞解釈】
ひとこと
ちなみに2002年までテレビ朝日系『ミュージックステーション』のエンディングテーマとして「どうしても君を失いたくない」のインストゥルメンタルバージョンが使用されていたらしい。
「どうしても君を失いたくない」のみんなの評価は?
ひとこと
明るい曲調なのに、どことなく切ない歌詞なのが良い
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ここからは管理人の「どうしても君を失いたくない」独自解釈!
【どうしても君を失いたくない/歌詞解釈①】主人公と恋人を巡る物語のフィナーレ
「いつかのメリークリスマス」で明かされた二人の幸せな過去。
>>>聴き手に謎を残す有名クリスマスソング!?「いつかのメリークリスマス」~歌詞の意味とは?【歌詞解釈】
そして「僕の罪」で二人は再会し付き合う。
>>>"いつかのメリークリスマス"の続編はこの曲だ!「僕の罪」~歌詞の意味とは?【歌詞解釈】
「恋じゃなくなる日」で二人は結局幸せになることが出来ずに、恋愛関係を終了させる。
>>>復縁した二人に訪れる別れの気配・・・「恋じゃなくなる日」~歌詞の意味とは?【歌詞解釈】
そして最終章を飾る「どうしても君を失いたくない」。
この曲が担っている役割は「解決」。
いよいよ主人公と恋人を巡る物語がフィナーレを迎えるのだ。
前述の通り、冒頭の歌詞で「恋じゃなくなる日」から数年後の冬が舞台になっていることが分かる。
二人が恋愛関係を終了して数年後。
主人公が出した結論は・・・。
どうしても君を失いたくない 胸の奥から叫んでる
復縁したけれど別れた。
つまり、2回付き合って2回別れた二人だけれど、主人公の想いはやはり"どうしても君を失いたくない"なのだ。
ひとこと
かなり未練がある笑
【どうしても君を失いたくない/歌詞解釈②】『FRIENDS』(友人同士)で生きていく。
「恋じゃなくなる日」では、恋愛関係が終了したことを"恋が終わる"ではなく、"恋じゃなくなる"と表現している。
>>>復縁した二人に訪れる別れの気配・・・「恋じゃなくなる日」~歌詞の意味とは?【歌詞解釈】
つまりこれは「恋愛関係が終了した二人だけれど、関係は続いている」ということを意味しているのだと思う。
では、恋愛関係が終わった後の二人はどういう関係性なのか。
それがまさにアルバムタイトルにもなっている『FRIENDS』(友人同士)なのだ。
次の引用した歌詞を見てほしい。
恋じゃなくなることは人を裏切ることになるのか 愛を貫くことの結果はひとつだけなのか
友人同士になった二人。
主人公は「果たして恋愛関係の二人が友人同士に変わることはダメなことなのか・・・?」と疑問を抱いている。
そんな疑問を抱えながらも、主人公と恋人は『FRIENDS』(友人同士)として生きていく。
「恋じゃなくなる日」で少しだけ描かれたお互いの夢を、友人としてそれぞれ応援していくのだろう。
この曲の後に「いつかのメリークリスマス」のインストゥルメンタルが流れる。これはつまり、友人同士であることを決意したけれど、少なからず恋人同士で生きていきたいという想いが主人公にあることを示しているのかもしれない・・・。
ひとこと
友人同士でも"愛"があるということか
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まとめ
『FRIENDS』のエンディングナンバーであるだけに、歌詞には他収録曲を思わせる歌詞がいくつか登場する。
例えば"少しだけ懐かしい夢を見た 僕が走る夢を"の歌詞は、「いつかのメリークリスマス」の"僕は走り 閉店まぎわ~"を連想させる。
こういう他収録曲との繋がりが感じ取れるのもコンセプトアルバムの醍醐味だ。
ひとこと
エンディングに相応しい1曲だと思う