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8thアルバム『LOOSE』の先行シングル。元々は「B'z LIVE-GYM Pleasure '95 "BUZZ!!"」で未発表曲として披露されていた。高すぎる完成度と、その後のB'zの活動に与えた影響などを含めて、B'z史に燦然と輝く大作である。
この記事の概要
- 「LOVE PHANTOM」のみんなの評価は?
- 「LOVE PHANTOM」とは一体どういう曲なのか?
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B'z/18thシングル「LOVE PHANTOM」
そもそも「LOVE PHANTOM」って?
B'zが1995年10月11日に発売した18thシングル。
およそ1ヶ月後に発売される8thアルバム『LOOSE』の先行シングルでもある。
B'z全シングルの中で、人気度・売上げ・完成度を含めると、本作がダントツの1位だと思う。
壮大なストリングスから始まり、疾走感溢れるキャッチーなメロディー、危険で魅惑的な歌詞、途中の早語り、、、どれをとっても完成度が高く、B'z7年間の集大成といっても過言ではない。
前2作は140~150万枚という、当時のB'zとしては安定した売上げだった。
というか、140~150万枚が安定した売上になっていた当時のB'zって、、、、すごすぎるわ(^_^;)
しかし、本作は圧倒的な完成度なため、初動売上は当時の邦楽シングル歴代1位となる95.1万枚を記録し、累計売上186万枚となった。
累計売上は前作「love me, I love you」からおよそ50万枚の売上増加。
B'z全シングルの中で、12thシングル「愛のままにわがままに 僕は君だけを傷つけない」に次ぐ歴代2位の売上げである。
>>>シングルで最大の売上を記録したけど人気がない!?「愛のままにわがままに 僕は君だけを傷つけない」~歌詞の意味とは?【歌詞解釈】
ただ、本作はあくまで8thアルバムの先行シングル。
アルバム先行シングルにも関わらず186万枚というB'zシングル歴代2位を記録したということは、いかに本作が圧倒的な完成度なのかが分かる。
話題になった「LOVE PHANTOM」の伝説的ライブ演出
本作発売の2ヶ月前に、B'zはライブ「B'z LIVE-GYM Pleasure '95 "BUZZ!!"」を敢行していた。
そのライブで、本作は未発表曲でありながらも、ライブ最大の大目玉として演奏された。
稲葉がヴァンパイアの姿に扮装し、数十メートルの高さからダイブするという今でも語り継がれている伝説的な演出が割り振られた。
この演出は元々4thアルバム収録の「VAMPIRE WOMAN」に割り振られる予定だった。しかし、新曲を作った方が良いということになり「LOVE PHANTOM」が製作され、こちらにダイブ演出が割り振られることになった。
松本はあくまで本作はライブ演出用の楽曲のため、シングルにする予定はなかったという。
しかし、結局シングル化され、B'zの代表曲にまでなったのだからスゴい。
後に再演することになる伝説的ライブ演出
「B'z LIVE-GYM Pleasure '95 "BUZZ!!"」のダイブ演出はファンの心に強く刻まれることになる。
そのため、「LOVE PHANTOM」のダイブ演出はその後2回再演されることになる。
B'z LIVE-GYM The Final Pleasure "IT'S SHOWTIME!!"
1回目は2003年に行われた「B'z LIVE-GYM The Final Pleasure "IT'S SHOWTIME!!"」。
これはデビュー15周年に行われた記念ライブで、 過去のライブ演出・衣装が多数リメイクされた。
その中で「LOVE PHANTOM」のダイブ演出も再演されることになったのだ。
B'z LIVE-GYM Pleasure 2018 -HINOTORI-
2回目は2018年に行われた「B'z LIVE-GYM Pleasure 2018 -HINOTORI-」。
これは「LOVE PHANTOM」がかなり重要な役割を担っている、ある意味異例のライブだった。
まず下の画像を見てほしい。
ライブのロゴが完全に「LOVE PHANTOM」を意識したものになっている。
そして、ライブのタイトルとなった未発表曲「HINOTORI」は、「LOVE PHANTOM」の間奏で演奏されるという異例の構成となった。
松本は前々から「LOVE PHANTOM」の続編をつくりたいと考えていたらしく、完成したのが「HINOTORI」だった。
「HINOTORI」はライブDVD『B'z LIVE-GYM Pleasure 2018 -HINOTORI-』の特典CDに収録されている。そのため「HINOTORI」を聞くにはライブDVDを買うしかない。
B’z LIVE-GYM Pleasure 2018 -HINOTORI- (BD) (「HINOTORI」CD収録) [Blu-ray]
B'zの30周年という節目ライブにフィーチャーされた「LOVE PHANTOM」。
メンバー自身も「LOVE PHANTOM」はB'z史に燦然と輝く大作ということを認識しているに違いない。
ひとこと
売上1位の「愛のままに~」によりも圧倒的に「LOVE PHANTOM」の方が"代表曲"って感じがする
「LOVE PHANTOM」のみんなの評価は?
ひとこと
もはやJ-POP史に残るほどの圧倒的完成度!
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ここからは管理人の「LOVE PHANTOM」独自解釈!
【LOVE PHANTOM/歌詞解釈①】恋人に対して期待過剰になってしまった
タイトルの「LOVE PHANTOM」とは日本語で"愛の幻"。
稲葉は本作に関して以下のコメントを残している。
「LOVE PHANTOM」が男の人の曲、「HINOTORI」は女の人の曲
つまり、本作は"愛の幻にさいなまれた男の物語"。
簡単に言えば、"恋人に対して期待過剰になってしまった男の物語"だ。
Cメロの歌詞が本作のテーマを端的に表していると思うので、引用してみた。
欲しい気持ちが成長しすぎて 愛することを忘れて 万能の君の幻を僕の中に作ってた
妄想が過ぎて、主人公は自分の中に"万能の君"を作ってしまった。
そうなってしまったら、絶対に"君"(恋人)は主人公と付き合いたくはないだろう笑。
何事に対しても主人公の中にいる"万能の幻"と自分を比較されてしまうなんて最悪だ(^_^;)。
ひとこと
共感してしまう人は少ないくないと思う
【LOVE PHANTOM/歌詞解釈②】自己嫌悪に陥ってしまった
そんなこんなで、恋人は主人公から去ってしまった。
次の引用した2つの歌詞を見てほしい。
せわしい街の感じがいやだよ 君はいないから 夢に向かい交差点を渡る「途中の人」はいいね
カラのカラダがとぼとぼと はしゃぐ街を歩く
"君"が去ってしまったため、主人公はおかしくなっている笑。
はしゃぐ街の雰囲気でさえも嫌い。
そんな嫌いな街を、恋人を失った主人公はトボトボ目的もなく彷徨っている。
それに対して、「途中の人」はどうだろうか。
この曲での「途中の人」とは、"目的のある人"を表しているのだと思う。つまり、恋人を失い気力のなくなってしまった主人公とは対極の人物像である。
しっかりと目的をもって歩いている。
つまり、「途中の人」を引き合いに出して、主人公の"自己嫌悪"を表しているのだ。
主人公の自己嫌悪はサビの歌詞でも表れている。
ふたりでひとつになれちゃうことを 気持ちいいと思ううちに 少しのズレも許せない せこい人間になってたよ
肉体的にも精神的にも、"ひとつになれちゃうこと"を繰り返した結果、"せこい人間"になってしまった。
ようするに、時間が経つにつれて恋人への期待が過剰になっていったということ。
そして、主人公は自分を"せこい人間"だと自己嫌悪している。
なぜ主人公はこんな人間になってしまったのか。
それは主人公の中にいる「LOVE PHANTOM」のせいなのだ!
ひとこと
"他人に対して期待過剰になるな"というのは前作「love me, I love you」のテーマだったので、主人公に聴かせたい笑
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まとめ
B'z史、いや、J-POP史に燦然と輝く圧倒的完成度の大作「LOVE PHANTOM」。
演奏時間が4分38秒なのに、聴き終わった後の余韻がまるで映画を観た後のよう。
伝説的なダイブ演出だったり、発売から23年後の2018年には続編「HINOTORI」が発表されるなど、今尚B'zの活動に影響を与えている大作だ。
ひとこと
唯一無二の名曲