米津玄師の2018年を代表するヒット曲「Lemon」。もはや日本国民なら聴いたことない人がいないのでは...と思うくらいの人気を誇っている。ふと思ったのが「なんでレモン?」。調べていくと、米津玄師の祖父がレモン農家だから「Lemon」というタイトルになったという情報が...。本記事では、そんな「Lemon」の由来について検証する。
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米津玄師の「Lemon」とは?
出典:https://www.amazon.co.jp
2018年3月14日(2月12日に先行配信)に発売された米津玄師の8thシングル。
2018年1月より放映のTBS系ドラマ『アンナチュラル』の主題歌である。
米津玄師にとってドラマ主題歌を担当するのは初めてだった。
各音楽チャートで様々な記録を打ち立てた「Lemon」
米津玄師の「Lemon」は発売後、様々な記録を打ち立てた。
まず、オリコン週間デジタルシングルランキングでは約23.6万ダウンロードで初登場1位を記録。
1ヶ月遅れのCD発売だったにもかかわらず、初動20万枚を越える売上を記録した。
オリコン週間デジタルシングルランキングにおける発売初週ダウンロード数と累積ダウンロード数の歴代記録を塗り替えた。
iTunesやレコチョクなどの各音楽配信サービスでも週間ランキング1位を獲得し、なんとトータルでの1位獲得数が13冠という記録を達成。
結果的に、約270万DL、CDは約55万枚を記録するという特大ヒットとなった。
メモ
「Lemon」は、テレビ雑誌『ザテレビジョン』が主宰する第96回ドラマアカデミー賞においてドラマソング賞を受賞している。ただ、読者票では嵐の「Find The Answer」が、審査員票では松たか子の「明日はどこから」が首位だった。個人的には「どう考えてもLemonだろ!」と思ってしまった(笑)。まあ結局、賞を獲ったのは「Lemon」だったので良かった。
読者票だけトップ3にジャニーズ二組........あっ...(察し)
YouTubeでも記録を打ち立てた「Lemon」
2018年2月27日にYouTubeで「Lemon」のMVが公開された。
このMVは公開後たったの13時間で100万再生を記録、そして6日後には1000万再生を記録。
その後も着々と再生数を伸ばしてゆき、2019年6月には日本のミュージックビデオでは初の4億再生を記録した。
日時 | 再生回数 |
2018年2月27日(午前8時) | 0回 |
2018年2月27日(午後21時) | 1,000,000回 |
2018年3月4日 | 10,000,000回 |
2018年6月11日 | 100,000,000回 |
2018年11月4日 | 200,000,000回 |
2019年2月9日 | 300,000,000回 |
2019年6月16日 | 400,000,000回 |
「Lemon」の由来は米津玄師の祖父がレモン農家だから!?
あまりにも「Lemon」の勢いがすごかったので、私は「Lemon」について調べてみた。
「そもそもなんでレモンってタイトルなんだろう?」という疑問を解決したかったからだ。
調べてみると、"あるキーワード"が目にとまった。
なるほど!
つまり、「Lemon」の由来は「米津玄師の祖父がレモン農家だから」だったのか!
・・・
あらかじめ、調査の結果から言うと...
米津玄師の祖父はレモン農家ではない!!
そして、
「Lemon」の由来は他にある!
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なぜ米津玄師はタイトルを「Lemon」にしたのか?
「Lemon」はドラマ『アンナチュラル』のために書き下ろした楽曲。
ドラマ制作側からは次ようなオーダーがあったらしい。
ドラマ制作者
傷付いた人を優しく包み込むようなものにしてほしい
米津玄師はこのオーダーに従って楽曲を制作していた。
しかし、完成した「Lemon」はこのオーダーに従うような内容にはならなかった。
なぜならば、「Lemon」制作中に米津玄師の祖父が死去したからだ。
タイアップ先の『アンナチュラル』は不審死した死体を解剖するドラマ。
つまり、米津玄師はドラマの内容、そして前述のドラマ制作者のオーダーに従い「Lemon」を愛する人との死別をテーマにして制作していた。
そして、制作中に訪れた祖父との死別。
これにより、もともとテーマにあった"死"がより明確に表れるようになったのだ。
米津玄師は「Lemon」に関して次のコメントを残している。
この曲は決して傷付いた人を優しく包み込むようなものにはなってなくて、ただひたすら「あなたの死が悲しい」と歌っている。
気が付いたらものすごく個人的な曲になったような気がします。
考えることなくパッと思いついた"レモン"
仮タイトルは"思い出"を意味するラテン語「メメント」。
しかし、このタイトルだと死に対して過剰だし、直接的で鼻につくということで、現在の「Lemon」になったという。
仮歌の段階で、米津玄師がある歌詞を思いついた。
胸に残り離れない 苦いレモンの匂い
サビの箇所である。
この歌詞は考えることなくパッと思いついたらしい。
そして、この歌詞にある"レモン"が、仮タイトル「メメント」にとって代わることができると米津玄師は思った。
これが、米津玄師がタイトルを「Lemon」にした理由である。
つまり、無意識的に"レモン"という単語が現れたということだ。
メモ
米津玄師は、無意識的に"レモン"という単語が現れたことについて、インタビュアーが梶井基次郎の『檸檬』を指摘した後に「「レモン」って文学的なニュアンスがあるとは思ってて。他にも高村光太郎の『智恵子抄』(「レモン哀歌」)とか。そういうものからレモンが無意識的に自分の頭の中にはあって、そこから出てきたっていう面はあるかもしれないです。」と語っている。
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まとめ
まとめると、
- 米津玄師の祖父はレモン農家ではない
- ただ、「Lemon」は祖父の死が影響されている
- "レモン"は無意識的に浮かんだもの
である。
米津玄師は、ビルボードジャパンのインタビューにて、非常に重要なコメントを残している。
どうしてもレモンでなければならなかった。ただ自分では理由を言語化できないし、特に言語化しようとも思わないです。
単体で見れば死とかそういうものから遠いところにあるレモンを使うことによって、「人の死」っていうものを抽象的に表現出来たらいいなとは考えました
なぜレモンが浮かんだのか、なぜレモンを「人の死」を表すアイコンにしたのか。
これはもはや米津玄師にすら分からない、いや、あえて分かろうとしない。
「Lemon」というタイトルだったからこそ、普遍性を帯びて、多くの人々の心を打つ名曲になったに違いない。
最後までご覧いただきありがとうございました。