SMAPには隠れた名曲が多いと、私は思っている。多くの人は「アイドルだから...」という偏見で、SMAPの楽曲をあさろうとしない。正直、それは本当にもったいない。もうSMAPは解散してしまったので、「多くの楽曲が埋もれてしまうのではないか...」という不安が私にはある。本記事では、SMAPの"本当に隠れた名曲"を解説する。"本当に隠れた"というのは完全に私の独断(笑)。色々なサイトで"SMAPの隠れた名曲"と銘打った記事を出しているが、正直どれも"隠れていない"のが多い。本記事は、どのサイトにも取り上げられないような本当の隠れた名曲をピックアップしているので、自分で言うのもアレだが質の高さは保証する。
"隠れた名曲"の選考基準
- シングル以外の楽曲
- ベストアルバムに収録されていない楽曲
- 他サイトやメディアでもあまり取り上げられない楽曲
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SMAP MEDLEY
出典:https://ameblo.jp
楽曲解説
1stシングル「Can't Stop!! -LOVING-」のカップリング曲。デビュー前の持ち歌だった「SMAP」「つれないよ」「踊り明かせば」「SMAP No.5」「BANG-BANG-BANG」の5曲をメドレー形式で1曲にまとまっている。80年代チックで古くさいアイドルソングということは否めない。ただ、国民的アイドルのデビュー前の持ち歌を5曲まとめて聴けるなんてかなり貴重。また、随所に"SMAP!"とグループ名を歌い上げる。このようなグループ名を浸透しようとしているのも微笑ましい。
Happy Birthday
出典:https://ameblo.jp
楽曲解説
3rdアルバム『SMAP 003』の収録曲。タイトルどおり、バースデーソング。ただ意外にも、2番の歌詞からは世界平和を願う内容になっており、「世界に一つだけの花」以降の平和路線楽曲の先駆けとも言える。サビの"Happy, Happy Birthday"はメロディーもキャッチーなので口ずさみたくなる。
ギョーカイ地獄いちどはおいで
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楽曲解説
5thアルバム『SMAP 005』の収録曲。アルバムの帯には大きく「ギョーカイ地獄いちどはおいで」と書いてあるため、アルバムリード曲とも言える。個人的にはかなり好きな1曲。タイトルの"ギョーカイ"とは"業界"で、まさに芸能界の裏を描いた内容。本作を作詞したのは、デビュー一年前の川村結花。川村結花はのちに、あの名曲「夜空ノムコウ」を作詞することになる。また、編曲にはジャズピアニスト・鈴木宏昌を起用しているため、非常に豪華絢爛なジャズチックな曲調になっている。歌詞内では"ギョーカイ天国いちどはおいで"と、あえて"地獄"と歌っていなく、それが逆にこわい(笑)。歌詞もメロディーも、どれをとっても秀逸なので、かなりおすすめの1曲だ。
失くしたり見つけたりのEvery Day
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楽曲解説
5thアルバム『SMAP 005』の収録曲。サビ以外を中居正広ソロで歌うという珍しい1曲。かなりハイテンポなノリノリソング。「なくし物」をテーマにした歌詞は非常に共感できる。シングル級のキャッチーさはないけれど、独特なテンポが耳に残るはずだ。
イルカに逢った夏
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楽曲解説
6thアルバム『SMAP 006〜SEXY SIX〜』の収録曲。 木村拓哉・森且行のユニット曲。6thアルバムから著名な外国人アーティストが演奏を担当することになる(いわゆるNYセッション)。本格的に担当するのは7thアルバムからだが、6thアルバムでは数曲ほどNYセッションを行っており、「イルカに逢った夏」はその1曲。一夏の淡い恋を描いた非常に爽やかでキャッチーなサマーソング。演奏も豪華なのでぜひ。
渋滞の楽しみ方
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楽曲解説
6thアルバム『SMAP 006〜SEXY SIX〜』の収録曲。「イルカに逢った夏」同様、NYセッションを行っているため演奏が豪華。海の帰り道に渋滞にはまってしまった男女を描いたサマーソング。夏感マックスなので、個人的には「イルカに逢った夏」「渋滞の楽しみ方」は夏に絶対聴く。イントロのホーンセクションからもっていかれる。
僕の自転車の後ろに乗りなよ
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楽曲解説
15thシングル「たぶんオーライ」のカップリング曲。夕焼けを舞台に恋人と海へ向かうという、超青春な1曲(笑)。ただ、当時のSMAPは「がんばりましょう」や「たぶんオーライ」など、"社会人向け"な曲へと路線変更を行っていた。そのため、「僕の自転車の後ろに乗りなよ」は学生ではなく社会人同士の恋人が主人公になっている。実は、ただの青春ソングのようで、自転車に乗ることで子供心を取り戻したいという、大人ならではの内容にもなっているのだ。すごい良い曲なのに、アルバム未収録なのが本当にもったいない…。
ルーズなMorning
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楽曲解説
7thアルバム『SMAP 007~Gold Singer~』の収録曲。森且行・香取慎吾のユニット曲。NYセッションの1曲なので、演奏が非常にゴージャス。もはや、演奏を聴くだけでも全然良いくらい(笑)。だらしのない大学生を描いたような1曲になっており、演奏のゴージャスさと内容のだらしなさ(ルーズさ)のミスマッチ感が逆に良い。
切なさが痛い
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楽曲解説
7thアルバム『SMAP 007~Gold Singer~』の収録曲。中居正広・木村拓哉のユニット曲。この二人のユニット曲はこの曲のみなので、非常に貴重。木村拓哉が1番を歌い、中居正広が2番を歌う。中居正広は音痴で有名だけれど、意外にもこの曲のムードに合っていて「木村拓哉より良い!」となる(笑)。また、この曲も演奏がNYセッションで非常に豪華。秋に聴きたくなるしんみりバラードソングだ。
お茶でもどうかな?
出典:https://www.mbok.jp
楽曲解説
8thアルバム『SMAP 008 TACOMAX』の収録曲。シングル「はだかの王様」でSMAPを脱退した森且行、最後のソロ曲。別れた恋人と偶然再会するというありきたりな内容の1曲だけれど、演奏の豪華さと森且行の最後のソロ曲ということで、聴かないわけにはいかない。
Slicker's Blues
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楽曲解説
8thアルバム『SMAP 008 TACOMAX』の収録曲。タイトルの"Slicker"とは日本語で"都会人"意味しており、まさに都会に生きる社会人を痛烈に描いた問題作。正直、アイドルが歌ってもいいのか!?ってくらい歌詞が強烈。実は作詞に中居正広・香取慎吾が関わっており、あえてアイドルらしくない歌詞にしようと試みた結果なのだろう。歌詞だけを見せたら誰もSMAPの歌だと思わないはず。
この街で今も君は
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楽曲解説
19thシングル「俺たちに明日はある」のカップリング曲。過去に住んでいた町に久々に戻ってきた主人公。懐かしさを噛みしめながら別れた恋人の家を見かける。そこには男物の服が...。ストーリー性のある1曲で、なおかつキャッチーなので好きな1曲。爽やかなメロディーで一般受け間違いなしなのに、残念ながらアルバム未収録。ほんっっっっっっとにもったいない…。ジャニーズ事務所さん、ぜひアルバムに収録してください。
Relax
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楽曲解説
9thアルバム『SMAP 009』の収録曲。おそらく『SMAP 009』を聴いたら、誰もが「Relax」が一番印象に残ると思う。爽やかなメロディーに、「リラックスしていいんだよ」という励まされる内容。シングルでも申し分ない出来である。
波風も悪くない
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楽曲解説
9thアルバム『SMAP 009』の収録曲。タイトルを見ただけだとサマーソングっぽいけれど、実は倦怠期を迎えたカップルを描いた1曲。キャッチーではないけれど、全体的にクールで落ち着いてる感じがハマる。演奏もNYセッションで豪華なので、夜にドライブしながら聴くと最高。
あの夏の日
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楽曲解説
9thアルバム『SMAP 009』の収録曲。稲垣吾郎のソロ曲。個人的には稲垣吾郎ソロ曲の中の最高傑作。「あの夏の日」というタイトルから分かるとおり、恋人と過ごした夏を思い出すという非常にセンチメンタルな内容。稲垣吾郎の繊細な声が相まって、聴き手は「あの夏の日」の世界観に引き込まれる。どうしてか、"夏"というのはノスタルジーをくすぐられる。"楽しかったあの夏の日"、きっと誰にでもあるのではないだろうか。そんな"あの夏"への想いを思い出させてくれる名曲だ。
黙って俺について来い
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楽曲解説
23rdシングル「SHAKE」のカップリング曲。いかにも前時代的なタイトルだけど、実はこれは前振りに過ぎない。「黙って俺について来い」だなんて今では誰も言わないし寒いけれど、あえて言うよ!という、ちょっとひねった内容になっている(笑)。なんだろう、強面な男が実は優しい人だったみたいな、そんな1曲。メロディーもかなりポップ。「黙って俺について来い」というタイトルだからこその1曲だと思う。
Everything is Cool
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楽曲解説
10thアルバム『SMAP 011 ス』の収録曲。非常に軽快なポップソング。この時期のSMAPの楽曲とは思えないくらい、歌詞と曲調が良い意味で子供っぽい(笑)。聴くだけで楽しくなってしまうパワーを持っているので、会社とか学校に行きたくない朝とかに聴くと良い。ちなみに、バラエティ番組『めちゃ×2イケてるッ!』の人気企画「岡村オファーがきましたシリーズ」でのSMAP回で、「Everything is Cool」披露中にメンバーに隠れて岡村が踊っていた(笑)。
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ストレス
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楽曲解説
26thシングル「Peace!」のカップリング曲。かなり攻撃的なロックナンバー。まさに"ストレス"を表現した曲調だ(笑)。個人的には歌詞にドハマりした。同世代の若者の不満を代弁しているような内容で、SMAPというアイドルはやはり"白馬の王子様"ではなく"若者の代弁者"だったんだなと分かる。ぜひストレスが溜まっているときは聴いてほしい。
世界は僕の足の下
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楽曲解説
11thアルバム『SMAP 012 VIVA AMIGOS!』の収録曲。おそらく社会人に成り立ての若者の、どこか青春に別れを告げているようなミディアムナンバー。"このまま 地に足つけて 焦らないで"という歌詞が何だか非常に胸に刺さったのを覚えている。収録アルバム『SMAP 012 VIVA AMIGOS!』はある種、若者路線の最後のアルバムだった。そのアルバムのエンディングナンバーがまさに「世界は僕の足の下」。ディスコグラフィー的にも"若者から大人になる"ことを表しているようだ。
見えないもの
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楽曲解説
29thシングル「朝日を見に行こうよ」のカップリング曲。1997年の日本テレビ系野球中継のテーマソングだったのだが、なぜか音源化されず、2年後の1999年にカップリング曲として音源化された。ミディアムで落ち着いているので、インパクトは弱い。でも、個人的には曲調が好きでよく聴く。
idea
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楽曲解説
12thアルバム『BIRDMAN〜SMAP 013』の収録曲。このアルバム、ジャケットを見るとアダルティーでムーディーな作品に見える。でも1曲目の「idea」がめちゃくちゃポップなアイドルソングなので肩すかしをくらう(笑)。いかにもSMAPらしいポップでキャッチーな歌なので、かなり一般受けするはず。「肩の力を抜いて一息つけば、きっと幸せになる方法が見つかる」という内容は、9thアルバムのオープニングナンバー「Relax」に通じる。
愛の灯 〜君とメリークリスマス〜
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楽曲解説
13thアルバム『S map〜SMAP 014』。アルバムラストをかざるミディアムなクリスマスソング。SMAPにとって"クリスマス"がついたタイトルは初だった。ただ、歌詞中には"クリスマス"は登場しないしクリスマスらしい情景描写がない。にもかかわらず、クリスマスらしさを感じてしまう不思議。編曲の堀込高樹(「idea」も担当)の力量が発揮された結果だろう。くせのない良質なクリスマスソングである。
Song 2 〜the sequel to that〜
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楽曲解説
34thシングル「freebird」のカップリング曲。メインタイトルの"2"やサブタイトルの"the sequel to(~の続き)"と、まるで何かの続きを表している…。そう、実はこの曲、SMAP屈指の名曲「オレンジ」の続編として製作された1曲なのだ。作詞作曲は「オレンジ」と同じく市川喜康。「オレンジ」は別れた男女の、過去を回想する形だった(つまりかなり時間が経っている)。「Song 2 〜the sequel to that〜」では、歌詞を見る限り、おそらく"別れた直後"の心境を描いている。そのため、時系列でいうと「Song 2 〜the sequel to that〜」⇒「オレンジ」だろうか。どうしても「オレンジ」と比べられがちで、さすがに大傑作と比べられるのは可哀想な気がする(笑)。もちろん良い曲だけれど「オレンジ」には敵わない。
Over Flow
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楽曲解説
14thアルバム『SMAP 015/Drink! Smap!』の収録曲。ラップを取り入れた、開放感のある1曲。"南国の夏"を連想させるような爽やかさがあって、何回聴いても飽きない。この曲を流しながら、海沿いをドライブしたい。
退屈な日曜日
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楽曲解説
16thアルバム『SAMPLE BANG!』の収録曲。作詞作曲および編曲にはクレイジーケンバンドの横山剣が参加。日曜日だけれど彼女の休みが水曜日だから退屈だ!!という、若者らしい内容の1曲。正直、この時期のSMAPにとってこういう若々しい曲はそろそろ似合わなくなってきたなぁという印象。若作りしてる感が否めない...。とはいえ、この曲のポップ感はすごく良い。個人的には、ぜひ90年代のNYセッションの生演奏でやってくれたら最高だった...。内容もまさに、90年代の"若者の代弁者"だったSMAP楽曲そのもの。
モアイ
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楽曲解説
17thアルバム『Pop Up! SMAP』の収録曲。木村拓哉・香取慎吾のユニット曲。ファンの間では、木村香取ペアをこの曲にちなんで"モアイコンビ"と呼ばれている。歌詞に"ひび割れたモアイの様に瞬きもせず"とあるので、タイトルの「モアイ」とはまさに"モアイ像"のこと。肩の力を抜いて聴けるミディアムバラード。なんかタイトルで損しているような気がするけど、普通に良い曲だ。
星空の下で
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楽曲解説
17thアルバム『Pop Up! SMAP』の収録曲。アルバム屈指の名バラード。同アルバムには解散前のファン投票で堂々1位を獲った「STAY」があるけど、個人的には断然「星空の下で」の方が好き。いわゆる夢追い人を主人公にしたないようなのだが、非常に現実的なので胸に突き刺さる。未だに叶わない夢、そしてそんな自分から逃げてしまった恋人への後悔…。この曲には"夢は叶うよ"という安易で薄い言葉はない。どの歌詞をとってみても、ズッシリと重い。こんな生々しい内容を歌えるSMAPすごい...。
SWING
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楽曲解説
19thアルバム『We are SMAP!』の収録曲。この曲では十数年ぶりに、90年代にNYセッションで集まった著名アーティストが演奏を担当した。そのため、7th~12thアルバムあたりのゴージャス演奏路線が好きな人にはたまらない1曲になっている。歌詞も内容も、どこかのショーのオープニングを飾るような感じで、非常にノリノリになることができる。
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Mr.S-SAITEI DE SAIKOU NO OTOKO-
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楽曲解説
21stアルバム『Mr.S』の収録曲。アルバムのリード曲だけあって、シングルでもおかしくないキャッチーさがある。惜しくもSMAPは解散してしまい、オリジナルアルバムとしては最後のアルバムになってしまった。最後のアルバムのリード曲ということだけでも、価値がある。周りの証言を元に"Mr.S"という謎の人物を描くという、とても異質な内容。こういう曲はなかったので、とても新鮮に聴ける。正直、2010年代以降は同じような作風で食傷ぎみだったけれど、この曲を聴いて「なんか新しい!」と思えた。この路線で次作以降やって欲しかったけど、解散してしまったから夢の話だ…。
まとめ
今回紹介した曲の中には、アルバム未収録曲もあり、今現在聴くことが困難なものもある。
こんな稀代のグループの良曲を埋もれさせていいのか...と不安になる。
90年代のNYセッションの豪華演奏など、明らかに音楽的な質の高さを求めていたのは確か。
この記事を見て、少しでもSMAPに興味を持ってくれたら本当に嬉しい。
今後も、不遇の幕閉めだったグループ"SMAP"が世に送り出した名曲たちを伝えていきたいと思う。